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お客様の買い物時間を考え、短縮することで回遊性の可能性が高まり、買上点数アップにつながります

「時間」で買上点数を上げる

[記事公開日] 2010/10/04

[最終更新日] 2020/01/11

お客様の買い物に掛かる時間を考えることで買上点数を伸ばすことができます。

時間には、

  1. 想定時間
  2. 裁量時間
  3. 非裁量時間
  4. 実時間
  5. 感覚時間
  6. 余剰時間

―――があり、客単価、特に「買上点数」に大きく関係します。

1.想定時間

まず、想定時間とは、お客様が買い物に対して「このくらいの時間は掛かるだろう」という、予め、予定した時間のことです。

 

この想定時間は意識する、しないにかかわらず、全ての買い物に存在します。

 

お客様からすれば「買い物は生活の一部」でしかないため、一日をベースとして見た場合、仕事や掃除、入浴など、色々なことをこなしているため、買い物に掛けれる時間にも上限ができるからです。

 

例えば、冷蔵庫を購入しに行く場合、

「明日、お互い休みだし、冷蔵庫でも見に行こうか?久しぶりだから、お昼は外食なんかどう?」

―――といった夫婦の会話は普通にあり、特別なことではありません。

 

この会話の時点で、冷蔵庫の買い物時間はMAXで「お店が開くAM10:00から、お昼ご飯の正午までの2時間」という制限が付いているのです。

 

実際には店舗に行くまでの移動時間も含まれるため、買い物の時間はさらに短縮されます。

 

また、この想定時間内に買い物ができず、時間をオーバーすれば以後の予定が狂うため、不満に直結するため、注意が必要です。

 

さらに、この想定時間は「価格が高い商品ほど長く、価格が安いほど短くなる」のが一般的です。

 

例えば、パソコンとインクカートリッジの場合で考えて見ましょう。

 

パソコンの購入では店頭での情報収集や確認を行いたいでしょうし、「後悔したくない」との思いから慎重に検討する時間が欲しい為、一般的に想定時間は長めになってきます。

 

これに対し、インクカートリッジでは購入する商品が決まっているため、数分程度の想定時間になります。

 

こういったインクカートリッジのような消耗品や低価格商品のような想定時間の短い商品は「すぐに発見できる仕組み」「買いやすい仕組み」ができているかどうかが重要になります。

 

以上が、買い物に対するお客様の想定時間であり、家電製品の場合、カテゴリー単位でおおよその想定時間をつかんでおく必要があります。

2.裁量時間、3.非裁量時間

次に裁量時間と非裁量時間ですが、裁量時間とは「自分の意思で自由になる時間のこと」であり、非裁量時間とは「自分の意思で自由にならない時間」のことです。

 

例えば、自分自身で商品を検討している時間は裁量時間」であり、購入商品決定後のレジ待ち時間などは自分の思い通りにならないため、「非裁量時間」となります。

4.実時間、5.感覚時間

実時間とは、時計で表される実際の時間のことで、ここでは「買い物に掛かった実際の時間のこと」です。

 

これに対し、感覚時間とは実時間のように時計で図る実際の時間ではなく、実際の時間に比べて「時間を長く感じる、短く感じる」といった感覚的な時間を表します。

 

例えば、満員電車の5分間は実際の5分間以上に長く感じますが、ゆっくり座って自分の好きな動画を見ている5分間は実際の5分間よりも短く感じるといったことが当てはまります。

 

この感覚時間を前述の裁量時間、非裁量時間と組み合わせると次のようになります。

 

まず、自分の自由になる裁量時間ですが、自分が商品を吟味している時間は実際の時間より早くすぎ、「もう、こんな時間!」というように感覚時間は短くなります。

 

そのため、次の予定が遅れることのできないものであれば、商品購入が次回になることもあります。

 

次回と記載しましたが、これは「お客様にとっての次の機会」であり、その次の機会に自店が選ばれるかどうかはお客様次第になるため、結局、売り逃しになってしまいます。

 

また、自分の自由にならない非裁量時間の増加は、通常「待たされる」ということですので、少しの時間でも長く感じ、ストレスが発生して疲れるため、想定時間を超えた場合は不満が生じ、想定時間内でも「はやく帰る」といった行動につながりやすくなります。

 

その為、接客に付くことによってお客様の裁量時間・非裁量時間を調整することが望まれます。

6.余剰時間

余剰時間とは、想定時間より実時間が短く、余った時間のことです。

 

これを式にすれば、

 

余剰時間=想定時間ー実時間

 

―――となり、図1はそのイメージ図です。

時間の種類

この余剰時間が生じた場合、お客様は店舗に残られ、

 

・同じフロアの違うコーナーを見て回る

・多層階の場合、違うフロアを見て回る

・同じコーナーを見て回る

 

―――という行動を殆どの方が取られます。

 

その為、エンドを魅力的に作り、「新しい発見」をお客様に提供することで非計画購買を誘発すれば、買上点数の増加が見込めます。

 

各カテゴリーに対する「お客様の想定時間」はつかみにくいですが、各カテゴリー担当の販売員に実際の平均接客時間を確認し、お客様の不満が出ていなければその時間を元に想定時間を考えてみるといいでしょう。

 

お客様の買い物の想定時間を短縮することで、買上点数の増加を目指していただきたいと思います。


 

一級販売士 堀田泰希

堀田経営コンサルティング事務所 代表

●カスタマー・クリエーター 

●1962年生まれ 大阪府大阪市出身 

●大手家電量販企業の幹部職を務め、2007年 堀田経営コンサルティング事務所を創業。マーケティング・営業に特化した研修・コンサルティングを行い、一部上場家電量販企業、大手家電メーカー販社での企業内研修は年間約60本を数える。中小企業は大阪限定とし、年間延べ100回を超えるコンサルティングを実施。

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