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堀田経営コンサルティング事務所
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前年の通期、もしくは一定期間(月、週、日)にレジで実際に購入されたお客様の件数です
[記事公開日] 2009/10/05
[最終更新日] 2019/08/24
「レジ客数」とは、「レジで実際に購入されたお客様の件数」のことです。
この「レジ客数」にも対象期間別に多くの種類があり、主な種類は次の通りです。
ただ、⑤の時間帯別レジ客数は、システム的な問題で把握できない店舗もあると思います。
その場合、手集計で日々の「時間帯別レジ客数」を取ることは、1時間単位での作業になり、非常に煩雑になりますが店長・役職者は可能な限り集計することをお勧めします。
時間帯レジ客数を毎時間確認できれば、先週の同曜実績と比較し、ピークの時間帯を推定したり、食事ローテーションを指示することもできます。
また、午前中の進捗が悪ければ、ワゴン展開で小物商品を訴求し、想定されるレジ客数の買上点数を増やすことを試みたり、接客時間の配分を指示して成約率を上げる取り組みにもチャレンジすることもできます。
量販店のようにPOSレジが導入されていない店舗の場合は、「日別レジ客数」だけはキッチリと集計するようにしてください。
上記、①・②・③の項目は、④の日別レジ客数を集計することから算出されますので、日別レジ客数を把握すれば月間・週間の予測や販売計画など、活用の幅が広がるからです。
次に①年間・②月別・③週別・④日別の「レジ客数」の見方ですが、活用するのに一番大切なのは「ピークの件数を把握すること」です。
それでは、①~⑤についてそれぞれ考えていきましょう。
通期のレジ客数については、過去数年の実績を比べ、異常値を示している年度を把握します。
その異常値の理由を考えねば、年間予算の作成に不備が生じます。
特に社会的要因(増税・異常気象 etc)で売上が増加している場合、売上額よりもレジ客数の方が件数で把握できるため、忙しさなどがわかりやすく、それに対しての勤務人数やシフト編成などに役立ちます。
通期予算を達成させるにあたっての月次予算の配分の目安にもなるため、つかんでおいてもらいたい数値になります。
1年間の中には、閑散月・繁忙月が存在します。
今迄の経験則から、例えば「2月と8月はヒマな月で、7月と12月は忙しい」といった感覚的な把握は禁物です。
必ず、数値で確認するようにして下さい。
上記の例であれば、「7月と12月は忙しい」となっていますが、同じ忙しい月であっても7月と12月が全く同じ「レジ客数」ということは考えにくいことです。
「7月は何件、12月は何件のレジ客数があるから忙しい」と数字で把握すれば、その差が一目瞭然です。
例えば、7月と12月が同じ売上高が上がっており、どちらも忙しいという感覚を持っていても、「7月はレジ客数が多く、あまり単価の高くない商品が売れ、お客様を捌くのに忙しい」、「12月はまとめ買いが多く、お客様一人当たりに掛かる時間が長くなって忙しい」というように中身が違うことも考えられます。
もし、そうなら、同じ「忙しい」という一言で片付くものではありません。
客数と客単価では、取るべき作戦も変わってきます。
それを具体的に把握する為にも、月別レジ客数は必要になってきます。
可能であれば「過去5年分程度の月別レジ客数」を揃えて、比較すれば特殊要因(増税・異常気象 etc)を除去することができ、長期間の推移が把握できるため、精度の高い予測ができます。
また、過去3~5年分の月別レジ客数を用意し、レーダーチャートというグラフを作成し、一目で推移が分かるように工夫することも大切です。
この月別レジ客数を把握できれば、2~3ヶ月先の販売促進策を考えていきましょう。
毎月々々、2~3ヶ月先を考えることをクセ付けできれば占めたものです。
販売促進策で一番時間が掛かるのが、「多くのお客様に、店舗に足を運んでいただく」という、客数増加です。
そして、「店舗にこられたお客様に、買っていただく」というステップに繋げなければなりません。
その為には、「準備する時間が必要」です。
例えば、今が3月ならば、ゴールデンウィークの計画を店舗メンバー全員に周知徹底させ、実際の準備行動に出ていなければゴールデンウィークの成功は難しいものになります。
一ヶ月前からスタートして、少ない日数で計画通りにすんなりと行くことは、そう多くありません。
一ヶ月からゴールデンウィークに向けて、計画を実行に移したとしても、見込み客の確保や売場の展開状況によって、計画自体に修正を加えねばならないことも多々起こります。
そういう状況を考慮すれば、一ヶ月では時間に不足です。
経費を掛けて中途半端に終るのならば、実施しても意味はありません。
こういった状況を避ける為にも、整理された数値を基に2~3ヶ月間先を常に考えておくことが大切なのです。
週別レジ客数は、中小企業のみならず、量販店・チェーン店でも、あまり集計されていない数値です。
しかし、来店客数及び売上高は、一週間単位で調整することが重要です。
原則として、
「今日の商売は今日しかできない。今日の商売で計画を下回った場合、明日に不足分を回すことになる。今日、不足を出した店舗が、明日の商売で今日の不足分を足した結果を残せる訳がない。」
―――という言葉通りです。
ただ、「今日」には不測の事態もあります。
悪天候などの事象が起こる可能性がある限り、レジ客数の減少につながる日は必ずあります。
こういったことを考え、一日一日の実績に一喜一憂すること無く、週間単位での達成を目指すことが大切です。
但し、このことは、日々の取り組みを甘くしていいということではありません。
言葉を変えれば、「今日足らなかった分は、一週間以内に取り返す」ということです。
具体的には月別レジ客数を考える2~3ヶ月前の時点で、前年ギリギリの集客を狙うのではなく、「不測の事態は起こり得るものだ」ということを意識し、毎土日にレジ客数をアップさせる計画(イベント実施など)を組んでおくことです。
実際にレジ客数という数値を活用するにあたっても、集計するにあたっても、中核になってくる数値です。
パソコンで数値管理されている店舗が多いと思いますが、各数値の集計は「日々」の積み重ねになっています。
要は、
・日々の数値の7日間の和=週間の数値
・4週ないし、5週の週間の数値の和=月間の数値
・年度内の12ヶ月分の月間の数値の和=年間数値
―――の順番に算出されていくという、当たり前のことです。
しかし、その数値を活用するときは、この順番が逆になってきます。
来期予算を作成する時には、
まず「今期トータルの数値はいくらだろう?」から考え始め、「月別の数値(推移)はどうなっているだろう?」「この月は何週目にピークを迎えているのだろう?」「この月の日別数値はどうなっているだろう?」と、年→月→週→日の順番で考えていくのが自然な流れです。
この順番を頭に入れたうえで、日々数値の使用方法を考えてみましょう。
使用方法としては、やはりピークを知ることから始めます。
1~31日までの各日別の前年レジ客数を表にまとめてください。
上記の数値使用の順番から、この日々数値に来るまでに、既に「通期(年間)数値」とそれぞれの「月別数値」は把握されているはずです。
週別数値については、システム構築されていない場合、先に日々数値を把握し、そこから週別数値を出すという順番になります。
いずれにしても、週別数値も把握しておく必要があります。
なぜなら、一番レジ客数が多い週と一番レジ客数が多い日は一致しない場合があるからです(一番多い週に、一番多い日が含まれていないということ)。
次に実際の活用の流れについて見てみましょう。
多くの場合、次のような流れになります。
A:上記、数値を確認し、ピークの日を把握する(該当月の2~3ヶ月前)
B:ピークの日・週が特定できれば、前年のその日・その週に何を行っていたかを確認し、今年の「来店客を増加させるプロモーション」を考える(該当月の2~3ヶ月前)
→チラシでいくのか、DMでいくのか、店内でのリーフ配布でいくのか、メールでいくのか、抽選会などのイベントを行うのか?などを考え内容を確定させる
→企画書・計画書の作成
C:Bの集客策に連動させた、客単価UP策(展示替えなど)の構築(該当月の2~3ヶ月前)
→集客策とは別に売場各コーナーの整備を行い、客単価アップも狙えるようにしておくこと
D:メンバーへの周知徹底とメーカーへの協力依頼(該当月の1~2ヶ月前)
E:従業員シフトを考慮して勤怠出勤表を作成する(該当月の1ヶ月前)
→レジ客数の少ない日を中心に定休日を取得
F:POPやプライスの作成(該当の1ヶ月前から、空き時間を利用して準備)
特に、Eのメンバー(パート含む)の勤務ローテーションについては、早めに全従業員に連絡することが必要です。
直前になっての出勤日変更などは、マインドを下げるだけでなく、会社に対する慢性的な不信感を生んでしまうため、計画的に慎重に行って下さい。
前年の時間帯別レジ客数は「当日の動き」の貴重な参考資料になります。
例えば、
「前年はPM2時~4時がピークで、その間は時間300件毎のレジ客数があがっている。食事ローテーションは、それまでの時間に多少重なっても回し終えること。特にレジについては、その間は捌き中心で追加販売の一声は掛けなくてもいい。レジ客数の急激な増加でも金銭のやり取りには注意すること。レジ待ちのお客様への苛立ち緩和は、通常通り役職者の対応で実施する。」
―――というように、具体的な指示を出すのに役立ちます(実際には個人レベルで担当商品まで指示)。
また、予めタイムサービスの準備を行い、売上や時間帯レジ客数の進捗が悪い時には、ゲリラ的にタイムサービス(商材限定)を入れることも検討しておくと(合図~各メンバーの動きまで)売上高の積み上げに役立ちます。
このように時間帯別レジ客数は、売上高だけでは分かりにくい、実際の忙しさを数値として表すため、人員配分や追加販促を実施するにあたって重要な判断材料となります。
一級販売士 堀田泰希
堀田経営コンサルティング事務所 代表
●カスタマー・クリエーター
●1962年生まれ 大阪府大阪市出身
●大手家電量販企業の幹部職を務め、2007年 堀田経営コンサルティング事務所を創業。マーケティング・営業に特化した研修・コンサルティングを行い、一部上場家電量販企業、大手家電メーカー販社での企業内研修は年間約60本を数える。中小企業は大阪限定とし、年間延べ100回を超えるコンサルティングを実施。
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