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堀田経営コンサルティング事務所
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前年の実績は本年実績の進捗がいいか、悪いかの基準にもなる大切な数字です
[記事公開日] 2009/03/04
[最終更新日] 2019/08/23
小売業では通期予算が決められ、そして半期予算、月予算が組まれますが、この予算の進捗以外に「前年実績」との比較も行われています。
これは戦略的な予算組みを行った場合、昨年までの流れと予算が大きく変わることもあり、予算進捗だけではわかりにくいことと、季節変動が一定の場合も多いため、比較対象として前年比較が欠かせないからです。
その前年実績を細分化し、順序だてれば、
①日々の実績 → ②月の実績 → ③年の実績
―――というように分けることができます。
ここで言えることは、日々の実績を記録することを怠らねば、月と年は確実に把握できます。
ただ、この日々の実績を記録できていても把握できていない店舗が多く有ります。
POSレジなら記録は自動的に行われますが、その数値を把握し、活用することは別の問題です。
その活用のため、日々の実績で把握しておきたい数値として次の数値が挙げられます。
これらを把握することで、取り組んでいく“作戦”が立てられます(②の粗利額については、日々の把握が困難な業種については、月締めなどで計算してください)。
まずは、この把握から始めましょう。
前年実績を把握・比較し、PDCAを回していけば結果は必ず変わってきます。
そもそも、何故、前年実績が必要なのでしょう?
それは、「比較対象の基準」の一つになるからです。
基準が必要なのは商売の世界だけでなく、どういったことでも「物事の良し悪し」を測るには基準となるもの(数値)が必要です。
例えば、学生の頃、よく耳にした「平均点」や「偏差値」なども、そういった基準の役割を担っています。
学校の実力試験で、英語が30点だったとしても、30点以下の学生が多く、クラスの平均点が20点だったとしたら、30点という点数を見て、一概に悪いとは言えません。
このように、物事の良し悪しをつかもうとするならば、比較対象できる基準が必要になってきます。
基準を作るということは、経営に一定の「ものさし」を持つということです。
注意してもらいたいのは、この「ものさし」は一本だけではないということです。
この場合は、前年実績を指していますが、あるときは「予算」であったり、またあるときは「競合店の実績」であったりします。
このように経営には複数の「ものさし」が存在し、この「ものさし」で測ることによって、たくさんの事柄が見えてきます。
また、その良し悪しの原因を突き止めるために、絶えず「何故?」という疑問を抱き、対処することが大切になってきます。
前年実績を上回っていたら、「何故、売れているのか?(何が良かったのか?)」
前年実績を下回っていたら、「何故、売れていないのか?(何が悪かったのか?)」
例えば、店舗計で前年比を上回っている場合、
①どのカテゴリーの影響が強かったのか? ②カテゴリーを特定できれば売れ筋ベスト10の確認 ➂ベスト10の自社全社ベスト10との比較、自社同規模店舗ベスト10との比較 ④ベスト10比較では「自社が強い商品型番の順位」と「全店・同規模店で売れていて自店で売れていない商品型番」、「全店で売れていないが自店で売れている商品型番」の確認(順位・販売台数・平均単価 etc)・・・ベスト3~5くらいまで把握 ⑤上記④で確認した商品型番の展開場所・展開方法・展示・POP・トークなどの確認 ⑥「全店・同規模店で売れていて自店で売れていない商品型番」の訴求強化 ⑦ベスト3~5までのさらなる販売強化策の実施 ⑧上記⑤で確認した内容で他のカテゴリーでも真似できる内容は真似して展開
―――など、これら以外にも、多くの取り組みが存在します。
上記①~⑧までは「今期の今現在の取り組み」であり、それを確認しているのですが、そのキッカケは前年実績と今期進捗になります。
しかし、今期進捗だけでは予算の組まれ方で実状に即しているかどうかはわかりにくいため、前年実績との比較は不可欠であり、前年実績は良し悪しの基準となるのです。 |
経営に一定の「ものさし(基準)」を持つこと!
絶えず、「何故?」を考え、現場と自社他店の数字を確認し、臨機応変に対応すること!
一級販売士 堀田泰希
堀田経営コンサルティング事務所 代表
●カスタマー・クリエーター
●1962年生まれ 大阪府大阪市出身
●大手家電量販企業の幹部職を務め、2007年 堀田経営コンサルティング事務所を創業。マーケティング・営業に特化した研修・コンサルティングを行い、一部上場家電量販企業、大手家電メーカー販社での企業内研修は年間約60本を数える。中小企業は大阪限定とし、年間延べ100回を超えるコンサルティングを実施。
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