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家電流通業 コンサルタント

4.商品の機能不良・不備のクレーム

[記事公開日] 2009/09/09

[最終更新日] 2019/09/25

商品の機能不良・不備

ここでいう商品の機能不良・不備とは、商品の初期不良の場合や欠品などのことを指しています。

 

基本的にはメーカーに対応をお願いする内容ですが、悪質なクレーマーはメーカーとの交渉後、販売店に「販売した責任」を問うケースも多いため、メーカーと協業し、「言った・言わない」の状況を作らないよう、メーカーと答えを統一することが望まれます。

 

この場合、次のようなポイントがあります。

 

  1. 迅速な不良交換・欠品取り寄せ
  2. メーカーに「振る」だけではなく、「二人三脚」の姿勢を取る
  3. 「販売した責任」に基準を持つ

まず、購入後すぐの商品でお客様の取り扱いミスでなければ、症状を確認すれば速やかに交換の手配を行います。

 

初期不良の場合は修理対応との違いを各販売員に明確に把握させ、会社のルールを順守する(会社にルールが無ければ店舗で作る)ことを徹底させてください。

 

このルールの徹底が出来ていなければ、販売員によって対応が違ってくるため、公平な対応をお客様に提供できず、信頼を失ううえ、クレーマーには付け入るスキを与えてしまいます。

 

例えば、3ヶ月くらい経っている商品を「最初から調子が悪かった」という場合ですが、ルールが明確で無ければ「すんなりと交換に応じる販売員」と「修理対応しようとする販売員」が出てきます。

 

この対応を統一しておかなければ、今回は大きな問題にならなくとも、「前はしてくれたのに、なんで今回はできないんだ。お前とこは、店員によって対応が違うのか!」と言われてしまいます。

 

また、初期不良の交換は期間を決めてルール化していても、安易な交換はせず、必ず確認が必要です。

 

不良でない商品を不良交換し、メーカーに返品すると「再生料」を請求される契約になっていることも多く、会社の利益を低下させるので注意して下さい。

 

さらに、ルール化された期間を超えていれば、基本は修理対応であり、万一の場合は必ずメーカーの判断を仰いでください。

 

もし、不良交換してもメーカーが引き取り拒否すれば資金の無駄使いになってしまうからです。

 

どうしても納得されないお客様への説明トークは、

この期間ですと修理対応になりますが、一度お預かりし、お客様のお声をメーカーにお伝えさせて頂きます。お客様の立場に立ってお話いたしますが、判断はメーカーになり、メーカーが出来ないと言われた場合、自店では交換をお受けできませんので、予めご了承下さい。

―――といった内容で、「一度メーカーには話を通すが、メーカーができない場合、自店では交換できない」という姿勢をはっきりと明言しておくこと、そしてメーカーに確認するという手間を惜しまないことがポイントです。

 

また、お客様に強い口調で言われたときも同様の対応を行うことが大切です。

 

なかには、お客様に強く言われれば、メーカーに高圧的に指示し、交換をごり押しする店長もいますが、メーカーはパートナーであり、「メーカーができない」という無理難題であれば「お客様の申し出を断る」ということが正常な判断です。

 

このお断りができないと、クレーマーに狙われやすい店になるため、注意が必要です。

 

次に、欠品の場合は店頭展示分の付属品や在庫品の付属を渡し、迅速な処理を心がけてください。

 

万一、高額な付属品を言われてきた場合は事実確認を行いメーカーに相談します。

 

製造番号を控え、早急にメーカーに連絡を取り、その指示に従って対応することが望まれます。

[2]の『 メーカーに「振る」のではなく、「二人三脚」の姿勢を取る』という項目で、特に注意しなければならないのが、通常の不良交換ではなく「お客様の身体・財産などに危害が加わった場合」です。

 

製造物の責任はメーカーにあるので対応してもらいますが、残念ながら悪質クレーマーのやらせの場合もあるので、「メーカーに振ったから大丈夫」という安易な考えは捨て、「メーカーと二人三脚」で臨むことが必要です。

 

メーカーと販売店が個別対応すると悪質クレーマーは、

「メーカーはこれだけ払ったが、お前とこはどうするんだ!」
「メーカーと、お前とこと言ってることが違う。時間掛けてこちらを待たせ、いい加減な対応をした責任はどう取るんだ!」

―――などと、言ってきます。

 

筆者もこのような製品によって危害が加わったという申し出を何度も受けましたが、本当にお客様の言われる通り、製品の欠陥だったのは1件だけであり、その他は「やらせ事案」でした。

 

これを防止するには、

  • お客様と交渉する時には、必ずメーカーと一緒に会うようにします。
    これはメーカーの説明と自店の説明をメーカー・自店の双方が証人となれるようにすると共に、「メーカーとお客様」・「自店とお客様」といった2つの事案でなく、「メーカー・自店とお客様」といった1つの事案であるという構図を作り、お客様にそれを認識してもらうためです。
     
  • メーカーには、「安易に金品解決せず、やらせだった場合、徹底的に戦う」ことを伝えて下さい。
    お客様の怒号・罵声にメーカーの方たちは慣れていません。筆者の経験でも安易に金銭で解決させようとするメーカーもありました。メーカーは、それでもいいかも知れませんが、その対応では「輩」はまた店にやってきます。「輩」とは徹底的に戦い、もう二度と「店の敷居をまたがせたくない」というのが店の本音でしょう。その為にメーカーを巻き込み、安易な妥協はせず、徹底的に戦いましょう。
     
  • 必ず、録音をする。訪問は避け、店舗で交渉の場を持つようにします。
    訪問は非常に危険ですので、店舗での対応が原則であり、メーカーも交え、複数での対応が必要です。交渉時にはICレコーダーはもちろん、録画の準備も必要です。
     
  • 交渉がまとまれば、発生時に連絡していた本社関係部署(お客様相談室など)に、示談書を作成する旨を伝えてください。
    この場合、メーカーと自店の共同の示談書が有効です。この示談書については、フォームや実施をお客様相談室などに相談するなど、会社のルールを確認して対応して下さい。

 

[3]の『「販売した責任」に基準を持つ』ですが、追い詰められた「輩」がよくいう言葉に「俺はメーカーから買ったんじゃない。お前とこから買ったんだ。売った責任はどう取るんだ!」というのがあります。

 

「売った責任」とは、

  • 有償でのサービスを用意していること
  • お客様の声をメーカーに届けること(過剰にではありません)

―――だと筆者は考えています。

 

このことを自信を持って告げ、それでも引かない場合は「これが販売した責任でないと言われるなら、お客様の言われる販売した責任とは具体的にどのようなものか仰ってください。」という切り返しも効果的です。

 

ここで金品の要求を受ければ警察に通報しますが、お客様と交渉する前にここまでのストーリーを考えておき、お客様相談室と打ち合わせを行っておくことが大切です。

 

悪質クレームには店舗・本社(お客様相談室)・サービス部署・メーカーの連携が非常に効果的です。

 

悪質クレームに対するストーリーを作成し、全メンバーや本社、メーカーに指示するのは店長の重要な役割であり、その窓口は店舗でしかありえないのです。

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