８月に入ると決算に向けての在庫調整が重要になってきます。

しかし、ビデオカメラやデジカメの商戦期に入ってくるため、高額持ち帰り商品の在庫金額が増加します。エアコンなどは、まだ売れますので、展示処分を急ぐあまり、店頭がスカスカになってしまわないように注意して下さい。こういった状況の中、先ず徹底して削減しなければならないのは、スリーピング在庫です。

 ７月の単品別の売上台数を確認し、全く販売できていないものは、在庫を０にするようにして下さい。商戦期に販売できないものを、他の月に販売することは困難です。

ある店舗では、現行の定番商品でも在庫を持たない小物商品はラッピングを施し、その現品を販売して商品を回転させています。キャッシュフローを常に意識しているため、販売台数の少ない商品には非常にシビアに取り組んでおられます。８月の在庫調整のポイントは下記のようになります。

①デジカメ・携帯電話は販売機種を絞り、その分、主力商品は各色在庫を持って下さい。その際は、一番販売台数の多い機種以外は１～２台で回します。各色展開といっても、一週間に一本も販売できない物は在庫０で結構です。

②以前販売したビデオカメラやデジカメのバッテリーも販売台数が伸びてきます。全ての機種を在庫するのは不可能ですので、こちらは明日からでもＰＯＰで取り寄せ訴求を実施して下さい。実在庫として持っておくのは、現行商品のバッテリーと２～３年前の主力商品のバッテリーです。バッテリーで良く見受けられるのが、お盆前や運動会前に駆け込みで来店され、結局は取り寄せが間に合わない為、受注できないという状況です。お客様にとっても、店舗にとっても勿体無いことですので、この需要を事前に察知させる訴求が有効です。ＰＯＰで大々的に「今年は大丈夫ですか？」などの文言で訴求しましょう。また、携帯メール配信をされている量販店は、一斉配信をかけてください。売り一色の携帯メール配信だけでは嫌われますが、このような「気をつけてください」メールは嫌がられません。コストも安いため、是非、お願いしたい項目です。

③現在、展示処分が回っている処分品の一掃をお願いします。特にこの時期は、土日を超えて残っている処分品は、プライス価格の変更をして下さい。展示場所も見直し、小物商品ならばワゴン展開も考慮します。またラッピングが必要な商品もあります。前述のように現行定番でも在庫０の小物商品はラッピングをして、そのまま購入してもらえるようにします。いずれにせよ、展示品ほどキレイにし、プライスカードも新しくして下さい。

④フック吊りの小物商品（電化パーツ含む）の在庫を見直してください。イヤホンやオーディオアクセサリー、分配器などの映像パーツなどの在庫を確認し、絞り出してください。注意点は、暑中見舞いなどの需要のあるインクカートリッジなどもありますので、季節需要を考慮することです。電池なども消費期限を確認し、過剰在庫を調整します。

⑤その上で、店頭に「歯抜け」を作らない。

展示処分が進むと、どうしても気になるのが「歯抜け」です。新製品の入荷に日数が掛かる場合は、新製品紹介ＰＯＰや特徴説明や商品比較のＰＯＰを作成し、店頭を埋めていきましょう。

パソコンも処分スピードが遅い為、早めに取り組むことが必要ですが、順調に行った場合はプリンターとのセット展示やブロードバンド訴求などで歯抜けを埋めてください。

他にも注意点はありますが、大まかな点を記載しました。店長は売上実績を見るのと同じくらい、在庫金額を日々チェックして下さい。