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家電流通業 コンサルタント

特典品を魅力的に見せることで商品購入を決めていただくことも可能になります。

特典品の訴求

[記事公開日] 2010/04/04

[最終更新日] 2019/09/22

特典品

指定商品を購入した際にメーカーや量販店がつけている特典品ですが、商品と違い、どうしてもお客様への訴求が手薄になりがちです。

 

しかし、特典品は「成約を決める動機付け」になる場合が多いため、意識を変えて積極的に露出を高めることが大切です。

 

特典品には大きく分けて「来店するだけでもらえる」ものと「条件付き」のものがあります。

 

一般的に来店するだけでもらえるものは安価ですが、条件付きのものは「希少価値」があったり、高価なものが利用される場合もあります。

 

この特典品の訴求で大切なのが、

  • 反応率を向上させる取り組み

 

  • 成約率を向上させる取り組み

 

  • 客単価を向上させる取り組み

 

―――を行い、効果を最大限に引き上げることです。

まず、「反応率向上」ですが、地域家電量販企業などはDMセールを実施しており、「来店記念品」の特典が掲載されていますが、DMの反応率を高めるために欠かせないのが「TELフォロー」です。

 

TELフォローは非常に手間の掛かるものですが、実施した場合としない場合では来店数に大きな差が生じます。

 

多くの場合、パートにお願いして実施しますが、「TELフォローしといて・・・。」というように「何の指示もせず、会話内容を個人任せにする」とパートも困りますし、拙く気持ちのこもっていない言葉で「ぜひ、ご来店ください。」といわれても、お客様も「それなら行こうか!」という気にはなりません。

 

形式的に“やった”という事実を作るだけの「TELフォロー」で、お客様にマイナスイメージを与えるだけなら、実施しない方がマシです。

 

優秀な店舗では「パートの負担軽減」や「効果最大化」を狙い、

  • 案内トークの作成・統一化

 

  • 特典品の詳細把握、呼び名の工夫

 

―――を実施しています。

実際に特典品のことを詳細に調べ、その「価値」をお客様への来店依頼のときに説明したり、特典品という言葉を用いず「記念品」という言葉で統一し、少しでも「ありがたみ」を醸し出す工夫を行っている店舗もあります。

 

例えば、折角の経費を使用して「高級醤油」を用意していても、「醤油を景品としてご用意しています。」と言うよりも、「国際○○審査機構が主催する、食品審査会で『金賞を受賞』した○○醤油をご来店(ご成約)記念品としてお待ちいたしております。」という方がインパクトが増すということです。

 

こういった案内は自然と出るというものではありませんから、「部下に指示」してあげる必要があります。特典品を十分の検討し、最大限に活かして反応率を向上させていただきたいと思います。

 

次に「成約率向上」ですが、実際に特典品を展示し、POPで明確にすることで「どうせなら今買うか!」という気持ちを誘発することもできます。

 

来店記念としての特典品は「先着○○名様」という場合が多く、「すでに来店されているお客様」へお渡しするものですから、「購入動機を高める展示・POP」というよりは「配布場所の明確化」が大切です。

 

特に展示・POPが必要なのが「ご購入記念品」としての特典品です。

図1:特典品訴求の一例

特典訴求

図1は筆者が実際に目撃した「ビデオカメラ」とご購入特典品としての「ビデオカメラ用ソフトケース」の訴求例です。

 

ある店舗では図1-Aのように、特典品を箱に入ったまま何のPOPも付けず積上げていました。それも実際にはゴンドラの一番下の、よくカタログなどが置かれている位置にです。

 

こうなるとお客様には「今、このビデオカメラを買うとソフトケースが付いている」ということすらわかりません。

 

こういった不都合を無くすため、図1-Bのように、特典品であったとしても商品と同じ訴求が求められます。

 

この特典品の場合、メーカーが経費を負担して実施しており、実績が伴わないと「メーカーからの信頼」が崩れるキッカケの一つになります。

 

また、「メーカーが実施している」ということは競合他企業でも実施している可能性があるため、ソフトケースがついていることを認識されなければ「どうせなら、ソフトケースのついている店で買おう!」という判断になれば、「売り逃し」に直結します。

 

「今なら」という「期間限定訴求」に「いくら相当」の価格表示を用いたり、「実質おいくらお得」というトータル表示を行うと成約率UPに貢献します。

 

最後に「客単価向上」ですが、希少性の高い特典品の場合、「○○円以上お買上げの方にもれなく・・・」という訴求が代表的なモノです。

 

この場合、「○○円に満たないお客様への告知」が非常に有効です。

 

例えば、「10万円以上、お買い上げの方・・・」というような条件で、お客様の購入額が9万5千円だとすれば、「お客様、あと5千円のご購入で、こちらの記念品が付いてきます。ぜひ、あと5千円分ご購入して下さい。」というように、こちらから不足額を案内することが効果的です。

 

実際に筆者はこれを実施していました。「値引き要求の強い関西地区」では「今の金額でつけとって」と言われるお客様も多かったですが、丁寧に「できない」ことをお伝えすると、ほぼ100%ご納得いただけました。

 

また、案内を行わねば逆に「あと、○○円でこれがもらえたやないか。なぜ、教えてくれへんかってん。」とお叱りを受ける可能性も出てきます。

 

この「追加販売」、もしくは「一品単価の高い商品への変更」を成功させるには、 

  • 「購入して下さい」と言い切る

 

  • 前述のように「特典品の価値」を学習する

 

  • 売場での特典品の展示・POPによる大々的な訴求

 

―――が必要です。

 

このように特典品はお客様の認識として、「購入したら付いていた」というのでは何の意味もなく、経費の無駄遣い以外の何物でもありません。

 

本社施策・メーカー施策と「売場訴求・接客トーク」を連動させ、特典品を魅力的に活用し、最大限の売上高・利益確保を行うことが望まれます。


 

一級販売士 堀田泰希

堀田経営コンサルティング事務所 代表

●カスタマー・クリエーター 

●1962年生まれ 大阪府大阪市出身 

●大手家電量販企業の幹部職を務め、2007年 堀田経営コンサルティング事務所を創業。マーケティング・営業に特化した研修・コンサルティングを行い、一部上場家電量販企業、大手家電メーカー販社での企業内研修は年間約60本を数える。中小企業は大阪限定とし、年間延べ100回を超えるコンサルティングを実施。

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