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家電流通業 コンサルタント

キャンペーンのお得感と期間限定は成約率をアップさせる強力な訴求になります

キャンペーンの利用

[記事公開日] 2010/04/04

[最終更新日] 2019/09/21

キャンペーン

目次

1.キャンペーンについて

2.キャンペーン企画書に対する店長の行動パターン

3.「キャンペーン企画書抜粋」のメリットと作成

4.一番重要なのはキャンペーン企画書を利用した運営

1.キャンペーンについて

キャンペーンは基本的に期間が決まっている「限定訴求(期間限定)」であり、お客様に「今しかない」という切迫感を与え、成約率を向上させることに役立ちます。

 

一般的にその期間中には「期間中特別価格」や「特典品」が設定されており、複数のキャンペーンが重なることも多く、ついつい「担当者任せ」になってしまいがちです。

 

こうなると担当者が休みのときなど不在時はその内容がわからず確認に時間が掛かるため、接客効率の低下や不必要にお客様を待たせるため「CS評価の下落」「クレーム発生」につながりやすくなります。

 

キャンペーンは全社・全店での取り組みになってきますので、達成には店長のリーダーシップが欠かせません。

 

しかし、全てを店長一人がこなすことは不可能なため、キャンペーン推進担当を選任したり、他の役職者に役割を振り分けるなど、主に店長は「確認・指示」に専念できる体制を構築することが望まれます。

 

このようにキャンペーンは「全店体制」で臨むことが大切であり、具体的な取り組みとしては次のようになってきます。

 

キャンペーンに入る前には、電子ベースや紙ベースなど伝達方法に違いはあれ、内容を記載した「詳細な企画書」が配布されます。

 

また、自店の売上・粗利額予算を効率的に達成させるには、「本社施策」である様々なキャンペーン、コンテストを確実にものにするのが一番の近道であり、その為には全レギュラー社員に内容を周知徹底することが望まれます。

 

特にワンフロア店舗では「担当者以外の販売」が必須になるため、集中拡販機種の型番や特典品などは、担当者以外でも「暗記」とまではいかなくとも、「自分で把握できる仕組み作り」が大切であり、これさえあればスムーズに拡販を行うことができるでしょう。

2.キャンペーン企画書に対する店長の行動パターン

しかし、現実を見るとキャンペーン企画書に対して、実例と何ら変わりのない、次のような「店長の行動パターン」が見受けられます。

 

Ⅰ.企画書に十分目を通さず、すぐにコーナー長・担当者に渡す店長

 

Ⅱ.目は通すが、「どうキャンペーンを利用し、取り組んでいくか?」という指示のない店長

 

Ⅲ.全員への周知として、企画書を休憩室に置いて閲覧者にサインを要求している店長

 

Ⅳ.企画書をコピーして、自分で保有している店長

 

―――などです。

 

Ⅰ、Ⅱについては論外ですが、Ⅲ、Ⅳは勘違いしやすい項目です。

 

Ⅲについては休憩室に置き、期限を決めて「全員に閲覧を指示」、その後、コーナー長・担当者の手元にという流れが多いのですが、これではコーナー長・担当者の手に渡るまでに時間が掛かり、準備に取り掛かるのが遅れてしまうことも考えられます。

 

何よりも、「担当者以外の社員は自分の担当以外の商品に対する意識が高くない」ため、ロクに企画書を見もせず、サインだけを形式的に行う場合が多く、重要部分を筆記している社員は非常に少ないのが現実ではないでしょうか?

 

また、Ⅳについては企画書をコピーして手元に置くことで安心してしまい、多忙な日常の店長業務に追われ、ついつい目を通すのが後回しになってしまう危険性を秘めています。

 

結果的に「読んでもいなければ、把握もしていない」という状況に陥り、実例のような状況がおきてから「コピーした企画書を引っ張りだし、そこから初めて読む」といったケースも少なくありません。

 

キャンペーンやコンテストの必勝の秘訣は店長自身が「本部が英知を尽くした企画書を完全把握し、それを売場にどう具現化するか?」というところにあり、「どうやって全メンバーに周知徹底させるか?」ということからスタートすることが大切だといえるでしょう。 

3.「キャンペーン企画書抜粋」のメリットと作成

筆者は店長時代、キャンペーンに強いことを自負しており、結果も残してきましたが、それも最初から強かった訳ではありません。

 

恥ずかしい話ですが、前項の「店長の行動パターン」は全て筆者が経験し、試みた方法で紆余曲折していた時期もありました。

 

しかし、「キャンペーンの成功は全員参加!」ということを信じ抜き、失敗するたびに「どうすれば?」ということをあきらめずに考えてきました。

 

そこで筆者なりに到達したのが図1の「キャンペーン企画書抜粋」(内容は全て架空:以下、企画書抜粋と記載)です。

図1:キャンペーン企画書抜粋

※図1はスマホで見やすいように縦長にしていますが、実際はA4用紙1枚分です。

企画書抜粋

この企画書抜粋を作成するメリットには、

 

Ⅰ.企画書をまとめることで、店長自身の記憶に残りやすく、完全把握が可能になる。

 

Ⅱ.何がポイントかを整理しながら作成するため、別途準備計画を並行して考えることができ、今やるべきことにモレがなくなる。

 

Ⅲ.簡潔な内容になっているため、配布された部下(担当以外の販売員)もわかりやすい。

 

Ⅳ.作成に時間が掛からない。

 

―――などがあります。

 

具体的な作成方法については、事前に本部からキャンペーン企画書が送付されるとすぐに(入手当日、スピードが命)、企画書を通読しながら、重要箇所に蛍光ペンでラインを引いていきます。

 

ここでのポイントは全メンバーに知らせる「企画書抜粋」に該当する①~⑧部分(例:黄色ライン)と「担当者が必ず知っておくべき項目」(例:ピンクライン)の2つを色分けするということと、準備項目の確認を簡単に「企画書抜粋」に記載するということです。

 

基本的に正規の企画書は最終的にコーナー長・担当者の手に渡りますので、店長の意思を明確にするために色分けを行い、この場合ならピンクのラインは店長から「担当者が必ず知っておくべき項目」という指示になるということです

 

例えば、図1では①~⑧までの全ての項目は黄色ラインになりますが、④に関しては企画書には全店個別予算・前年実績が掲載されていることも多く、前年実績トップの店や同規模店舗などの「意識すべき店舗」の予算・前年数字にピンクラインを引き、キャンペーンに入れば担当者が常に「相対評価」を意識できるようにします。

 

そして、企画書抜粋※1の部分には「意識すべき店」を店長や他メンバーが忘れないように店舗名を記載するとともに、キャンペーン期間中の日別予算表作成期日を記載して、準備にモレが無いようにします。

 

さらに⑥では※2にそれぞれの集中拡販期間に向けた「見込み取り開始日」と店頭のにぎやかし装飾を“いつするか?”という期日と⑦では対象機種の明確化や展示替えなどの売場訴求を“いつ行うか?”という期日を記入しておくと、その期日に向けて計画的に準備が行えます。

 

また、⑦では店長が「拡販機種の中でも優先順位の高い拡販商品」を指定し、ピンクラインを引いておくと担当者も理解しやすく、展示替え期日までに「売場ストーリー」を計画しやすくなります。

 

また、実際には①~⑧の項目はキャンペーンによって多少項目内容を変更する場合もありました。

 

例えば、個人報奨や店舗報奨が厚く規定が多い場合、知っておくべき実施趣旨、対象カテゴリーが多く専用POPがある場合など、「最優先して伝えるべき重要事項」を検討して項目を変更してください。

 

図1の統一フォームにまとめていくときのポイントですが、特に意識するのが「何がなんでも、A4一枚にまとめきる」ということです。

 

これを続けていくと、自分自身(店長)の「優先順位を見抜く目」が培われていきますし、部下もポイントを把握しやすくなってきます。

 

ダラダラとA4何枚にも重要事項を書くと「まとめる意味」がなくなりますし、見にくいうえ、元々の正規企画書の精度に届くはずがなく、無駄な作業になるからです。

 

慣れてくると「企画書抜粋」の作成は正規企画書を読む時間を含めても小一時間あれば十分ですので、このひな形にとらわれず、店長の指導方針に応じてカスタマイズして作成していただくことをお勧めします。

4.一番重要なのはキャンペーン企画書を利用した運営

それでは、いよいよ企画書抜粋を利用した運営です。

 

一番大切なのは、企画書抜粋を作成することではなく、これを利用した販売員の意識向上とキャンペーン達成です。

 

筆者は全メンバーに企画書抜粋専用ファイルで管理させ、企画書抜粋自体は紙ベースで配布し、目の前で氏名を記載してもらうようにしていました。

 

専用ファイルで管理すれば貯まってくると「前年同時期にどのようなキャンペーンがはいっていたか?」が、すぐにわかりますし、部下が役職者になった時、「キャンペーンにどう取り組んでいくかということが分かる」という、このうえない財産になります。

 

また、手渡し直後の氏名記載は「放置防止」につながります。

 

手渡し後は、担当者と担当以外の社員への声掛けを「内容を変えて実施」すると意識が高まってきます。

 

担当者には、「意識すべき店舗との現状比較」や「キャンペーン達成率」、そして「全社順位」などを日々確認します。

 

日々、確認の声掛けを行うことでパワハラまがいの指導をしなくとも、担当者はプレッシャーを受け、好む好まざるにかかわらず、数字を絶えず意識するようになってきます。

 

担当者でない社員には、「○○キャンペーンの開催期間は?」、「集中拡販機種の型番は?」、「キャンペーン特典は?」などを日々確認することで、担当以外のキャンペーンにも意識を向けてきます。

 

さらに「キャンペーン対象商品を接客したかどうか?」、接客していないなら積極的な声掛け・案内を指示し、接客した者には「展示・POPの売場訴求が接客しやすかったか?しにくければ、どうすればもっと売りやすいのか?」という声を収集します。

 

この「販売員の声」は展示・POP改善に非常に役立つものになります。

 

このように部下とのコミュニケーションを利用しての確認は非常に重要であり、企画書抜粋を作成する“真の狙い”もここにあるのです。

 

最後に、前述しましたが、売上・粗利額予算を達成するには、本部施策を徹底的に利用することが一番の近道であり、各キャンペーン・コンテストは、その最たるものといえるでしょう。

 

キャンペーンに強い店長は「店予算達成に強い店長」であり、自分自身のアピールにもつながるうえ、部下の教育にも役立ちます。

 

何より、担当者以外の部下も「売るべき商品を知れば、売場は変わらざるを得ず、異常値を残せる」のです。

 

担当者一人、店長一人では販売台数に限界がきます。

 

キャンペーンとは、店舗全体の力を結集し、「常に全社をリードする、異常値を残すためにある」と筆者は考えています。

 

各キャンペーンを利用し、店長の皆さんの「個性」を存分に発揮していただき、店予算の達成を継続していただければと思います。


 

一級販売士 堀田泰希

堀田経営コンサルティング事務所 代表

●カスタマー・クリエーター 

●1962年生まれ 大阪府大阪市出身 

●大手家電量販企業の幹部職を務め、2007年 堀田経営コンサルティング事務所を創業。マーケティング・営業に特化した研修・コンサルティングを行い、一部上場家電量販企業、大手家電メーカー販社での企業内研修は年間約60本を数える。中小企業は大阪限定とし、年間延べ100回を超えるコンサルティングを実施。

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