リスク管理の徹底を

 本日、終業式を迎えた学校や、連休早々に終業式を迎える学校も多いことでしょう。

 言葉は悪いですが、この時期に増えるのが、学生を始めとする“万引き”です。

 万引きの防止には、「声掛け」が有効です。先ずは、お客様に対する声掛けを徹底し、防止するといったスタンスが必要です。

 しかし、一旦、万引き事故が起これば警察に通報することを徹底して下さい。

 注意点を挙げますので、確認をお願いします。

 

@通報は警察へ。

 →時間が掛かっても「被害届」を提出して下さい。感情や万引き金額などに左右されないよう、一定の基準を持ってください。

 

A声掛けの徹底。

 

B学校には連絡しない。

 →あとで、過保護な親から“因縁”を付けられる可能性が出てきます。連絡は警察だけにし、警察から保護者に連絡してもらいます。

 

C万引き現場を見て確実ならば、店舗出入口を出てから声をかけてください。

 →声の掛け方は「ご精算はこちらです」と言って、レジを案内して下さい。店舗は「捕まえる」のが目的ではなく、「防止する」のが目的です。特に、ホームセンターなどの複合施設に入っている場合は注意して下さい。私はホームセンターのテナントに入っている店舗も経験しましたが、ホームセンターで選んだポットを自店のレジに持ってこられたお客様も居られました。このように、「勘違い」をおこすお客様も居られますので、絶対に高圧的な態度に出ないようにして下さい。

 

D万引き犯の「写真」を撮ったりしない。念書を取る時も、くれぐれも慎重にして下さい。

 

E店内事故の対応について

 一例を挙げれば、季節柄、山積み展示の多い時期です。山積みが崩れ、お客様に当たった場合、すぐにケガの状況を確認して下さい。ここで安易な対応をとると、後で不当要求される原因になってきます。私の場合、お声掛けを即座に実施し、お客様にケガがなかったかを確認し、例え「大丈夫」という返事を頂いても、夕刻以降に「お詫び」と「安否伺い」を実施しました。勿論、伺うのは店長(私)です。

ここでの安易な対応は、問題を大きくする可能性があるため、細心の注意が必要です。面倒くさいと思われるかも分かりませんが、後で多大な時間を裂かれることを考えれば、すぐに理解できる筈です。

 また、店長は「荷崩れ事故」が再発しないよう、店頭山積みなど、高く積まれた展示を必ずチェックして下さい。 

店舗設備のチェックについて

 昨日は、午後から店舗視察に出ていましたが、移動中の午後4〜5時にかけて、北大阪地区は集中豪雨と落雷で、非常に混乱していました。国道171号線という大きな道路が、タイヤの半分の所まで水没しており、急遽、自宅を見に帰りましたが、自宅から20mくらいにある用水路が溢れており、あわや床下浸水というところでした。タイミングよく、小降りになり浸水は免れたため、再び店舗を回りましたが、集合店舗では停電でエスカレータが止まっていたり、POSがダウンしていた店舗も見受けられました。 こういった緊急時の対応で、店舗の教育が行き届いているかどうかが分かります。

 例えば、落雷などによる停電時の対応は次のようにします。

 ・エスカレータ、エレベーターの緊急停止の場合

 エスカレータの場合、緊急停止による転倒で、お客様がケガをされていないかを確認して下さい。

 受傷事故が発生した場合は、ケガの状況により救急車を手配したり、病院へ行く場合は必ず付き添いを出してください。ここで手を抜くと不当要求に繋がる場合も多く、実際、過去にも付き添いを出さなかった為に、後で高額の治療費を請求された店舗も存在します。

 また、速やかにパーテーションなどでエスカレータの出入口を塞ぎ、使用禁止告知をすると共に、係員を1名つけてください。エスカレータを使用されない為と階段での事故を防止する為です。

 エレベーターの場合は、各階を確認し、やはりパーテーションなどで出入口を封鎖します。途中で止まった場合は、速やかに管理会社に連絡をします。緊急時に最低限の発電を行う自家発電に切り替わる設備もありますが、私自身、落雷の影響で全てが停止した経験もあります。店長は焦らず、冷静に毅然と対応願います。

 停電時は盗難にも気をつけるようにしましょう。こういった緊急時の人の配置を決めておくと共に、定期的な訓練が必要です。

 

 他の災害の場合も同様ですが、優先順位を間違えないようにして下さい。

優先順位@   お客様、従業員の安全確認と状況把握

優先順位A   消防・警察への速やかな報告(その為には被害状況確認は不可欠)

優先順位B   本社への報告

 ここで良くあるのが、Bの本社への報告を優先順位@に持ってくる間違いです。

 既に事故は起こっているため、本社に連絡する時間があるなら、先に救済措置に出るべきです。

 分かりやすく例えるなら、目の前で店が燃えているのに、先に本社に電話して指示を仰ぐのか?ということです。

 こういったリスク管理は、店長の判断が重要です。本社の報告なども大切なことですが、まずは目前の事故に速やかに対処しましょう。

リスク管理 鳥インフルエンザ

 季節も移り変わり、朝晩は特に冷え込むようになってきました。

 体調を崩しやすい季節です。少し風邪気味のため、今日は車で移動しており、その際に「鳥インフルエンザ」の話をラジオで聞きました。

 

 丁度、筆者もリスク管理のセミナーの際に、「鳥インフルエンザ」の説明も加えていたため、ここで少しふれてみたいと思います。日本の企業の多くは、災害や個人情報漏洩などに対する取り組みは行っておられますが、鳥インフルエンザに関しては全くの無防備状態の企業が多く有ります。

 

 家電流通業界に関係あるのか?と思われるかもわかりませんが、鳥インフルエンザ自体、いつ発生してもおかしくない状況にあります。その発生・流行に対して、全くの無防備では企業活動に決定的なダメージを被ってしまう可能性が出てきます。

 鳥インフルエンザが発生し流行した場合、厚生労働省の試算では約64万人が死亡するということです。この鳥インフルエンザの怖いところは、同時多発といっていいほど、すぐに日本国中に広まってしまいます。

 地震ならば、被害を受ける地域は限定され、その発生周期もインフルエンザよりも長く、近隣の地方自治体からの救援活動も期待できます。しかし、鳥インフルエンザの場合、同時多発するということは、どこからも救援を受けることが出来ないことが予想できます。

 今迄のインフルエンザと違い、子供がかかったから近所の実家から祖父母に来てもらうということもできません。大阪で流行すれば、京都も流行している為、各地方自治体は自分のところだけで手一杯になるはずです。

 一度流行すると、家電量販店は不特定多数のお客様が来店されるため、非常に高いリスクを負わねばなりません。少人数でのストアオペレーションや通勤手段、車両通勤なども考慮する必要がありますし、そもそも店舗を開店できるかどうかも疑問です。

 流行時には、各事業所で定期的に体温を測る必要もあり、救急箱に体温計が常備されねばなりません。こういった状況を考慮して、どのくらいの店舗が営業でき、その出勤人数はどのくらいで、企業として最悪、どれだけの売上高・利益が減少するのかを予め試算することが求められます。

 これらの企業防衛を考えながら、流行時に品切れになる商品を予想し、予めお客様に提案することも、企業の社会的責任の一部になるのではないでしょうか。

クレームVol.1、店長の姿勢

記載日 2008.08.19

 最近、メールでの質問で多いのが、『クレーム』についての見極めと対応方法についてです。

 このクレームの一連の流れをブログでワンポイントずつ記載しようと思えば、 半月くらいは掛かる為、なかなか取り組めませんでしたが、この時期に連日を利用し、一気に記載していきたいと思います。

 クレームをてこずらせている原因に、店長の姿勢が挙げられます。

 ひどい場合は、クレームが発生すると怖いのか「逃げてばかり」の方も居られます。

 一番多い店長のパターンは、「こんな内容なら、俺が出て行くまでもない。こんなのを俺にまで回すな」と言って、副店長や主任に振ることです。これが、ジャブくらいのクレームをカウンターに変えてしまっているのです。

 確かに、細かいクレームをいちいち店長が対応していたら、店長業務に支障がでますし、部下も育ちません。私も、店長が対応するまでに、担当者→主任→代理→副店長→店長の順番を踏まえねばならないと思っています。

 しかし、いきなり対応はせずとも、発生したどんな些細なクレームも内容は必ず把握しておくことです。クレーム対応での基本中の基本は、店長が内容を完全把握し、今後のストーリーをたて、そのストーリー通りに全員が同じ答えを出来るようにすることです。

 どんなに小さなクレームでも、

 店長が事の経緯を正確に把握する→今現在のお客様の状況と言い分を把握→今後のストーリー(流れ)を考える→担当者と全役職者にストーリーを説明、他の全メンバーには該当のお客様の名前と、来店されたらすぐに担当者もしくは主任を呼ぶようにインカムで徹底します。

 

 

 ワンポイント

 「店長は、いきなり自らが対応しなくとも、経緯と現状を完全把握し、これからのストーリーを考え、全員がそのストーリー通りに行動できるように指示して下さい。」

クレームVol.2、お客様相談室

記載日 2008.08.21

 前回は、クレームに対する店長の姿勢として、全ての状況を把握して、これからの予測できる事柄に対し、ストーリーを創る重要性を記載しました。

 本日は、本社のお客様対応係との連携を説明します(以下、お客様相談室と称します)。

 

 多くの量販店様には、お客様からの苦情を受ける、専門の『お客様相談室』が設置されていると思います。

 この『お客様相談室』について、店長を始め、役職者から次のような声を聞くことが多いのです。

 「お客様相談室は、クレームを店に振るだけ」

 「店が断っても、本社に電話があると、また店に戻してくる」

 「クレームを処理する為に、お客様相談室があるはずなのに、全く機能していない」

などの声です。

 

 非常に厳しい意見になるかも分かりませんが、もし、上記のような考えを持っているならば、それは誤った認識だと思います。

 

 私は、小型店の店長から、副部長職の店長までを経験しましたが、本社に対応を回したことは、10年間で一度もありませんでした。特に、副部長職の店長の時は、マネージャーも同格でしたので、直属の上司である営業部長に、そのような問題を回すことの無いようにだけは、常に意識していたつもりです。ここでは、お客様相談室とのあるべき付き合い方を説明したいと思います。

 

 まずは、「お客様相談室」への認識を変えて頂きたいと思います。お客様相談室は、お客様からの苦情を聞く部署であって、処理する部署ではないのです。

 処理するのは、あくまで営業店です。自分の店の不始末は、自分で拭くのが筋ではないでしょうか?

 ですから、お客様相談室への過度の期待は捨てるべきなのです。

 お客様相談室に、お客様から苦情の電話が有った場合、事実を知らない「お客様相談室」は、お客様の話を鵜呑みにしても仕方ないのではないでしょうか?

 もし、店長で居られる皆さんが、お客様相談室に配属になった場合を考えて下さい。

 何も知らぬまま、お客様から苦情の電話があれば、なかなか「お客様、それはこういう理由からです。」とは、言いにくのではありませんか。

 まずは、「お客様から、こういう電話が入ってきた。事実関係を調べて処理して欲しい。」といった答えになるはずです。

 これは、もう物理的に仕方のないことなのです。

 ならば、言葉は悪いですが、お客様相談室を有効に使うにはどうすればいいのでしょう。

 

 それは、お客様より先に、どんなに小さなクレームでも、その状況をお客様相談室に伝えることなのです。

 その為に、先日記載した「些細な、取るにたらないクレームでも、全ての情報を店長は把握し、ストーリーを創る」ということが必要になってくるのです。

 私が何故、10年間の長きにわたって、一度も本社にクレームを回したことが無いのかというと、先手を取ってお客様相談室を利用したからです(本当に言葉が悪く、申し訳ありませんが、事実のスタンスです。)。

 

 私は、些細なクレームでも、神経質なくらい担当者に経緯と、今の状況を確認しました。そして、予測できる今後を想定し、ストーリーを創ってきました。

 その状況とストーリーをいち早く、お客様相談室に伝えるのです。

 「どこ何処の、〇〇さんという方から、こういった内容のクレームが来ている。店としては、こういった対応をするので、万一、そちらに電話があった場合、同じ答えをして欲しい。」

と、対処方法をこちらで指定し、その通りに動いてもらうのです。

 店舗で答えを出し、お客様相談室にも同じ答えをしてもらいます。

 これに気付かず、お客様相談室に事前の打ち合わせをしない店舗は、折角、店として対処し、全身全霊をつくしてお断りした筈なのに、お客様が本社に連絡された場合、またフィードバックされ、再び自店で対応せざる負えなくなるのです。

 自分が考えたストーリー、これを早急に「お客様相談室」に伝え、同じ答えをしてもらうようにすることが、非常に重要です。

 

 

 

 ワンポイント

 「店長は自分が考えた、クレームに対するストーリーを、お客様相談室にも早急に伝え、同じ答えをしてもらえるように先手を取ることが、非常に重要です。」

クレームVol.3、クレームの発生源について

記載日 2008.08.22

 クレームについての記載が、もう3回目になりましたが、やはり回数を相当重ねなければ、対応の全てをお伝えすることが難しいようです。

 しかし、最近のクレーム増加は著しく、「間違った消費者意識の向上」に起因するものも少なくない為、回数を重ねても記載しようと思いますので宜しくお願いします。

 今回は、クレームの発生源についてですが、では、どのような場合にクレームは発生するのでしょう。この発生源の種類によって、対応と予防方法が変わってきますので、明確に把握して下さい。

 それでは、クレームの発生源を箇条書きにしてみましょう。

 

【クレームの発生源】

@お客様の勘違い 

A約束の不履行

B修理・部品に関するもの

C商品の機能不良・不備

Dサービスの案内訴求

E店内事故に起因するもの

F犯罪行為からの開き直り

G販売員の態度・対応

 大きく分ければ、このようになってくると思います。

 次回から、この一つひとつについて記載しますが、まず、共通する基本対応方法として、次の点に気を付けて下さい。

 

通常・善意のクレームと「悪意のクレーム」をはっきりと区別する。そして、お客様にも一線を引き、通常・善意のお客様と「輩」の区別をつけること。

原則として、金品の提供や値引、上位機種への無償交換、ポイント付加などは実施しない。

→勿論、例外もあるでしょうが、金銭的な解決方法は考えから外すようにして下さい。

Fの「販売員の対応」には、細心の注意を払って下さい!

→これは、通常の指導である「クレームを起こさない為」にではありません。

 クレーマーの逃げ場を無くし、追い詰めるための意味です。

  皆さん、クレーム現場を思い出してください。店長経験の長い方は、経験されていることと思います。

 お客様の勘違いなど原因はともあれ、不当要求やそれに近い要求をされ、「お詫びすべき点はお詫びし、不当な要求を毅然と断り、断った理由も筋が通っている」、こういった対応をすれば、通常のお客様は納得して下さいます。

 しかし、こちらの揚げ足を取ってきたり、最初からなんらかの金品的な得を狙った者(既にお客様ではありません)の最後の言いがかりが、販売員の態度になるのです。具体的には次のようなパターンです。

  「お前の言ってることはわかった。」

  こう言われ、一安心すると、すかさず、

 「そやけど、最初から黙って聞いてたら、こいつの今迄の態度はなんやねん。」

 「俺は、客やぞ。お前とこは一体、どういう教育をしとんねん。」

 「さっきの話は分かったけど、俺をバカにしたような態度を取って、どう責任とってくれんねん。」

 「社長をださんかい。」

と、こんな感じで食い下がってきます。これに負けてはいけません。

 筆者は、上記の例えをくどいくらいレギュラー社員はもとより、パートさんにも話し、「態度に話を変えられたら負ける」ことを説いてきました。通常の接客においても、接客態度だけには気をつけるようにです。その上で全メンバーに、「クレームでなくても、お客様と販売員の様子がおかしい(語気が荒立ってきたなど)を目撃したら、すぐに連絡してもらう」体制をしき、他のメンバーや主任に、作業の振りをさせて、そのやり取りの情報を掴んでいました。

 これは、クレームの防止の為でも、あとで販売員を叱る為でもありません。

 普通に接客していた販売員を守る為にです。

 普通に接客していたならば、上記の例え話の場合、はっきりと「私も彼の対応を見ていましたが、なんら落度があるようには思いません。どこに言われても結構ですが、誹謗中傷はお止め下さい。」と言ってきました。この時点で、次席者が本社お客様相談室に電話します。「店長がこういった内容で断ったので、販売員の接客に落度はないと、同じ答えをして下さい。」と。これは、スピード勝負です。先に輩から電話されては、本社から再び回ってくるからです。こういった仕組みが大切です。

 勿論、販売員の態度が悪い時もありましたが、その時は「不愉快な思いをさせたこと」についてだけ謝ります。

 この現象は、クレームでなくても、販売員に値引を断られた為、お客様が勝手にキレる場合にも見受けられます。これも同様に、販売員に落度がなければ守ってあげましょう。

 いいように書きましたが、本心はやはり、「お客様との対決姿勢」は嫌なものです。

 「お前個人は絶対に許さへんからな。」といった捨て台詞も何回も聞きました。実際に対応中はそうでもないのですが、終ったあとに胃が痛くなることもあったり、クレームを引きずっている場合は、眠れないこともありました。

 やはり、いい気持ちはしませんし、怖いときもありました。

 しかし、私は落度の無い販売員をその場しのぎで謝らせ、販売員の信頼を無くすことの方が、もっと怖かったのです。

 もし、誠心誠意の接客をして、お客様からの一方的な意見を鵜呑みにされ、無理やり謝罪させられたとしたら、どう感じますか? 私はイヤですし、店長への信頼も、いっぺんに吹っ飛んでしまいます。

 店長は、普段、部下に対して厳しい指示も多くなるでしょうが、いざという時に体を張っても守ってくれると思われていれば、部下は付いてきてくれます。

 勇気を持って、冷静な判断で対応しましょう。

クレームVol.4、@お客様の勘違い

記載日 2008.08.23

 昨日も記載しましたが、クレームの説明についてはかなりの回数が必要になります。

 そこで、もう少し記事が増えてきた時点で、他の項目が記載できない為、サイドメニューに独立させて入れようと思います。他の項目と平行して記載していきますので、若干、作業量が増えますが頑張りますので宜しくお願いします。

 さて、クレームの発生源の@お客様の勘違い について記載します。

 この「お客様の勘違い」で多いのが、商品の使い方や約束ごとの勘違いです。

 結果としてお客様の勘違いであったとしても、当初、お客様は「100%自分が間違っているとは思っていない」為、来店や電話で非常に高圧的な場合も多くあります。

 どのクレームもそうですが、まずはお客様の言い分を正確に聞いてあげましょう。この時点では、例え自店に非がなくても、「不愉快な思いをさせた」ことについてだけはお詫びして下さい。

 結果として勘違いであったとしても、商品的なものでは商品を見るまで、約束事に起因する内容なら、調査確認するまで、どちらに非があるか分からないからです。

※商品的な内容の場合

  商品の確認の必要が有ります。ここで、商品持参で来店された場合はいいですが、電話の場合、お客様の顔が見えないため、特に「受け答えは丁寧」にして下さい。ここで、鬱陶しい電話を取ったといった対応をすれば、勘違いでも大きなクレームに発展するケースがあります。

 基本は、来店を促すことですが、お客様の声色を聞きながらの判断が必要になります。良くあるのが口頭で、そのまま使用説明に入った場合、お客様だけでなく販売員もイライラしてきますので注意して下さい。電話で使用説明する場合は、「電話代が掛かりますので、こちらから折り返し〇〇分以内に電話させて頂きます。」と時間を明確にして、一旦電話を切って下さい。その間に説明書を用意していただくことも忘れずに説明します。電話代と時間を明確にするだけでも、お客様に気をつかっていることが伝わる場合が多いのです。切っている間に、こちらも説明書を用意し、折り返し電話した時には説明書のページ数を案内しながら確認するとお客様に伝わりやすく、こちらも説明しやすい為、お互いがイライラせずにすみます。

 大型商品や遠方の場合、サービスを利用するため、その前の確認として前述の流れを特に丁寧にすることで、サービス対応になった場合の日数を稼ぎやすくなります。

 また、お年寄りの場合や感情的になっているお客様の場合、「すぐに来い」と言われるまえに、先手を取ってこちらからの訪問を伝えます。筆者の経験から、先手を取った場合、訪問時間はこちらの都合にあわせることが出来やすくなるからです。

※約束ごとの場合

 当たり前のことですが、担当者に確認することが必要です。言った言わないの水掛け論になる為です。ここでは、担当者の接客中の態度が大きく係わってきます。担当者が丁寧にしていた場合、担当者からの説明で納得されることが多くなります。しかし、担当者が横柄な態度で接客していた場合、電話だけで片付けることが困難になってきます。接客時の態度にさかのぼって言われた場合、やはり「態度についてのみお詫びが必要」です。自店ができること、できないことの判断が必要です。店長は、一定の基準をつくって、逸脱するようならキャンセルも考慮すべきでしょう。

 この項目は防止することが、非常に重要です。筆者の場合、伝票に約束事(日時や工事の場合の追加料金の可能性など)は、詳細に記載させ、「大切なお約束です。お客様にご迷惑を掛けてはいけないですから、記載しておきますね。ご確認いただいてサインをお願いします。」との案内を徹底していました。その為、この手のクレームは殆どありませんでした。

 

 勘違いであった場合でも、販売員は演技しましょう。お客様は「恥ずかしい」という気持ちを持つ為、引っ込みが付きにくい場合もあります。その場合、やはり「販売員の態度」につけこみ、逆ギレされる場合も有りますので注意して下さい。

 例え勘違いであったとしても、「分かりにくい案内で失礼いたしました。不愉快な思いをお掛けして申し訳ございませんでした。」と軽くお詫びしましょう。

  勿論、不当な要求については、別の話になってきますので、毅然と断ることが必要です。

クレームVol.5、A約束の不履行

記載日 2008.08.25

 この『約束の不履行は、基本的に「店舗側のミス」に起因するものです。

 内容としては、下記のようになってきます。

@配達・工事の手配ミス

A料金案内ミス

B入荷連絡ミス

C商品内容の説明ミス

 店舗側のミスであるということが、非常に重くのしかかってくるはずです。

 しかし、過剰な対応は厳禁です。誠心誠意お詫びし、代替案を示すことを徹底して下さい。

 対応のフローは次のようになります。

 正確な現状と原因の把握⇒誠心誠意のお詫び⇒代替案の提示

  まず、現状と原因を把握することです。担当者が相談に来た場合は、充分に話しを聞いて下さい。以降の再発防止策も打つことが出来ます。

  変な言い逃れをせず、お詫び訪問することも考慮して下さい。「何故、こうなった」という質問も多いので、簡単な経緯説明が出来るようにしておくことです。

  夏場のエアコンなどの場合、お客様に著しい迷惑を掛けてしまうため、ウインドエアコンの貸し出しなども検討するといった対応を考えて下さい。

 

 基本は、誠心誠意のお詫びです。安易に値引きを提示すると、ズルズルと金額交渉に入る場合も多いので、値引きする場合は金額をはっきりさせることです(法外な値引きは断ります)。

 また、お客様によっては、値引きがクセになったり、今後も購入の都度、今回のミスを言われる方も居ますので、あくまで最終手段だと考えて下さい。

以下に対応例を記載します。

 「俺は、被害者やぞ。この責任はどうとってくれるねん!」

 「誠心誠意お詫びさせて頂きます。本当に申し訳御座いませんでした。」

 「そやから、その誠心誠意とはどういうことやねん。」

 「こうしてお伺いさせて頂き、お詫びの言葉をお伝えすると共に、代替案を提示させて頂くことです。」

 この時点で、代替案(主に商品の貸し出し)を提案します。

 納得頂けない場合は、引き取りも考慮して下さい。

 この場合、担当者には「お詫び」を徹底してもらい、ワンクッション置いて「店長の判断として」貸し出しなどの案を示すほうがいいでしょう。

 こちらとしての、誠心誠意のお詫びと代替案をしめすことが重要です。

 

 予防としては、@配達・工事の手配ミス、A料金案内のミスは、双方の伝票に約束事を明記し、サインをもらうことです。追加工事の可能性も記載してください。配達・工事日の引き当ても、お客様が居られる間に行います。後回しにして、配達・工事能力がなく引き当てできない場合や、お客様に当日まで連絡が付かない場合も多いからです。B入荷連絡ミスは、受注伝票を定期的にチェックすることで防止することが可能です。店長は、曜日を決めて伝票のチェックを実施していただきたいと思います。また、各コーナー長に分担させてもいいのですが、その場合、納得の行かない伝票があれば、すぐに報告させるようにして下さい。C商品内容の説明ミスは、接客中にいい加減な返答をさせず、少しでもわからないことは担当者やメーカー様に確認することを徹底してください。

 今の少しの手抜きが、後日の大幅な時間ロスに繋がることを教えてあげることが重要です。

クレームVol.6、B修理・部品

 記載日 2008.08.26

  修理品の場合、「修理完了して引き渡したが直っていない。」や「受け付け時に預かった付属品が紛失している。」、「料金が高い。」などといった内容が多いと思います。

  また、部品の場合は「入荷間違い。」といった内容になってくるでしょう。

  ただ、修理・部品について共通するのは、「受付時の対応の悪さ」が挙げられます。

 修理・部品の場合、自分の個人売上につながらない為、出来るだけお客様に声を掛けられないように逃げる場合が見受けられます。面倒臭いのは分かりますが、修理・部品は受付時の対応が勝負です。受付時の対応が悪いと、引渡し時に料金や対応、日数などでクレームをつけられやすくなるのです。こうなった場合、引渡しは違う販売員が行う場合が多いので、担当したものは災難以外の何物でもありません。

 店長を始め、役職者は定期的に「修理・部品の受付時の対応」をチェックしていただきたいと思います。

 修理品が直っていない場合は、お客様はかなりの日数を待っておられ、それだけでもイライラされています。ここで業務的な対応に終始すれば、必ずクレームになります。先手を取って、貸し出し品などの検討をして下さい。

 また、付属品については、それを記載してチェックする「管理シート」をお客様控え・店控え・送付用と3部作成し、お客様の目の前で記入し、確認後、店控えにサインをもらいます。

  送付用には「受け取ったら、すぐに確認し、不足があれば連絡欲しい旨と、すぐに連絡が無い場合は、受け取った部署の責任で処理していただくこと」を明記します。

 これで、修理センター、メーカー修理部署の責任が明らかになり、非常に助かりました。用紙は、〇印で済むように、予め良くある電源コードやバッテリーなど、多くの予想される付属品を記載しておくと楽になります。DVDディスクやビデオテープなどが本体に入っていないか確認し、このようなソフト関係はできる限り、持ってかえってもらいましょう。

 部品で分かりにくいところは、簡単なイラストを記載して下さい。また、それでも分かり辛い場合は、メーカーに分解図を送ってもらいましょう。

  また、入荷までの日数や修理期間は、今迄の経験則だけで答えるのは危険です。お客様に聞かれた場合、先ず経験則での目安を伝え、はっきりとした日数は問い合わせないと分からないことを案内します。そこで、こちらから「今、お時間があるならば、メーカーに聞いてみましょうか」と声を掛けて下さい。多くのお客様は、「そこまでしなくてもええわ」と言われ、「聞いて欲しい」と言われた場合、「メーカーの〇〇さんが何日くらいですと言われています。」とメーカーの誰が返答したかを伝票に記載します。こうしておけば、あとで万一、なにかあった場合でも非常に楽になってきます。

 筆者は、担当部署の誰が・メーカーの誰が言ったのかを、この場合に限らず明確にし、お客様に案内するように指導していました。これは非常に効果的ですので、是非、試していただきたいと思います。

クレームVol.7、C商品の機能不良・不備

  商品の機能不良・不備とは、商品の初期不良の場合や欠品などのことを指します。基本的にはメーカーさんに対応をお願いしなければなりません。この場合、次のようなポイントがあります。

@迅速な不良交換・欠品取り寄せ。

Aメーカーに「振る」のではなく、「二人三脚」の姿勢を取る。

B「販売した責任」に基準を持つ。

@迅速な不良交換・欠品取り寄せ

 商品確認後、お客様の取り扱いミスでなく、不良状態を確認すれば、速やかに交換の手配をして下さい。この場合は初期不良を取り上げていますので、修理対応との差を明確にすることを販売員に教育して下さい。例えば、3ヶ月くらい経っている商品を「最初から調子が悪かった」という場合です。ここで、すんなりと交換に応じる販売員と修理対応しようとする販売員が出てくると思います。

 この対応を統一しておかなければ、今回は大きな問題にならなくとも、「前はしてくれたのに、なんで今回はできへんねん。お前とこは、店員によって対応が違うんか」と言われることも多くあります。

 初期不良の交換対応を購入後1ヶ月くらいにおいている店舗が多いと思いますが、安易な交換はせず、確認を必ずお願いします。不良でない商品を不良交換し、メーカーに返品すると「再生料」を請求される契約になっていることが多いのです。これは、会社の利益を低下させますので注意して下さい。また、1ヶ月などの期間を超えるようであれば、基本は修理対応し、メーカーの判断に委ねるようにして下さい。もし、不良交換してもメーカーが引き取り拒否されれば資金の無駄使いになってしまいます。トークは、

 「この期間ですと修理対応になります。一度、お預かりし、お客様のお声をメーカー様にお伝えさせて頂きます。お客様の立場に立ってお話いたしますが、判断はメーカー様になりますので、お客様のご希望にそえない場合もございますので、ご了承下さい。」といった内容です。

 欠品の場合は、店頭展示分の付属品や在庫品の付属を渡し、迅速な処理を心がけて下さい。

 万一、高額な付属品を言われてきた場合は、メーカーに相談します。製造番号を控え、早急にメーカーセールスさんに連絡を取って下さい。

 

Aメーカーに「振る」のではなく、「二人三脚」の姿勢を取る。

 特に注意して頂きたい項目です。通常の不良交換ではなく、お客様の身体・財産などに危害が加わった場合です。製造物の責任はメーカーさんにあるので、メーカーに対応してもらいますが、悪質クレーマーの場合を想定しなければなりません。そこで、「メーカーに振ったから大丈夫」という安易な考えは捨て、「メーカーと二人三脚」で臨んでください。

 悪質クレーマーは、

・「メーカーは、いくら払ったが、お前とこの対応はどうすんねん。」

・「メーカーと、お前とこと言ってることが違う。時間掛けて、いい加減な対応をした責任はどう取るねん。」

などと、言ってきます。筆者もこのような製品によって危害が加わったという事案を何度も経験しまいたが、本当にお客様の言われる通り、製品の欠陥だったのは1件だけであり、その他は「やらせ事案」でした。

 これを防止するには、

・お客様と交渉する時には、必ずメーカーと一緒に会うようにします。これは、メーカーの説明と自店の説明をメーカー・自店の双方が証人となれるようにすると共に、メーカーとお客様・自店とお客様といった2つの事案でなく、メーカー・自店とお客様といった1つの事案であるという構図を作り上げ、お客様に認識してもらう為です。

・メーカーには、「安易に金品解決せず、やらせだった場合、徹底的に戦う」ことを伝えて下さい。

 お客様の怒号・罵声に、メーカーの方たちは慣れていません。安易に低額の金銭で解決させようとする場合もありました。メーカーは、それでもいいかも知れませんが、その対応では「輩」は、また店にやってきます。「輩」には徹底的に戦い、もう二度と「店の敷居をまたがせたくない」というのが店の本音でしょう。その為に、メーカーを巻き込み、安易な妥協はせず、徹底的に戦いましょう。 

・必ず、録音をする。極力、訪問は避け、店舗で交渉の場を持つようにします。筆者の場合、録画準備は事前に必ず準備していました。やむを得ず訪問する場合は、録音を忘れないようにして下さい。

・交渉がまとまれば、発生時に連絡していた本社関係部署(お客様相談室など)に、示談書を作成する旨を伝えて下さい。

 この場合、メーカーと自店の共同の示談書が有効です。この示談書については、フォームや実施をお客様相談室などに相談して下さい。 

 

B「販売した責任」に基準を持つ。

  追い詰められた「輩」がよくいう言葉に、「俺はメーカーから買ったんじゃない。お前とこから買ったんや。売った責任はどう取るねん。」があります。

 「売った責任」とは、

 数日前にも「クレームの苦い経験から学んだこと」でも記載しましたが、

@自社のサービスを有償で用意していること。

Aお客様の声をメーカーに届けること(過剰にではありません)。

だと考えています。 自信を持って対応していただきたいと思います。

 

 悪質クレームには、店舗・本社(お客様相談室)・メーカー・サービス部署の連携が非常に効果的です。

 悪質クレームに対するストーリーを作成し、全メンバーや本社、メーカーに指示するのは店長の重要な役割であり、その窓口は店舗でしかありえないのです。

クレームVol.8、Dサービス訴求の案内不足

記載日 2008.08.28

 サービス訴求の案内不足として、代表的な例は「長期保証」が挙げられます。

 メーカー保証が切れ、修理依頼のため来店されたときに、

 「こういったサービスは、いつから始めていたのか?商品を買ったときには、こんな案内を聞いていない。説明してくれてたら加入したのに。お前とこの説明不足が原因やから、なんとかせえ。」

といったパターンです。

 指定機種には無償で付いている量販店は、こういったケースは遭遇しないかも知れませんが、加入が有料で、お客様の任意になっている量販店には、必ず起こっているクレームです。

 加入が任意・有料の量販店は、まず、こういった事象が起こる前に本社の見解を確認して下さい。今は起こっていなくとも、こういってくる輩は必ずいますので、事前準備が大切です。

 以下は筆者の対応を記載します。参考にしていただければ幸いです。

【状況】 

 冒頭に記載した文面を言ってきたため、課長代理変わって対応。30代男性。修理品はパソコン。現在はクローズしている店舗で購入したとのこと。修理伝票を記載してもらいながら、わめいている状況。

 客  : 「説明受けてへんから、なんとかせんかい。」

 代理 : 「そう言われましても、ご加入されていませんので長期保証の対象にはなりません。」

 この繰り返しを延々と繰り返す。代理は良くやってくれました。ここで安易に預かると、後が大変になります。代理が対応することになったことは、私の耳に入ってます。様子を見ながら、先にお客様相談室に状況を説明し、「断るので、万一、あとで電話があった場合、そちらも断って欲しい。」と指示を終らせていました。ICレコーダーの準備もOKです。

 客  :  「お前やったら話にならん。店長ださんかい。」

 代理がやってきて、今の状況を再確認する。代理と交代し、私が対応する。

 私  :  名刺を出しながら、「私が店長の堀田でございます。」 

 客  : 「お前が店長か。それで、どうしてくれるねん。」

 私  : 「代理の説明通りです。私どもに落度はございません。」

 客  : 「説明うけてへん言うてんねやろ。ええ加減にせんかい。」

 私  : 「長期保証は、あくまでお客様の任意加入です。説明を100%義務付けられたものではありません。POPが店頭に一枚でもあればお客様に案内しているという認識です。」

 客  : 「その時、案内が貼ってあったのを証明せんかい。」

 私  : 「当時も、本社からの確認が何度も入っており、貼っていなかったことは非常に考えにくいことです。また、それを証明する義務は当店にはございません。」

 客  : 「お前も話にならん。社長をだせ。」

 私  : 「私がこの店舗の管理権限者です。社長が出られても、お答えは同じです。」

 客  : 「ええから、出さんかい。」

  「社長をだせ。」「お答えは同じです。」が、しばらく続く。

 私  : 「何度言われても、お答えは同じです。どうしても、ご納得いただけなければ、これ以上お話させて頂くことはできません。お引きとりいただけますか。」

 ここで、修理伝票を引き上げる。客のトーンが下がる。

 客  : 「帰れ言うんか。修理はどうするねん。」

 私  : 「有償をご納得いただければ、お預かりさせて頂きます。ご納得いただけなければ、お引取り下さい。」

 しばらく、沈黙が続く。 

 私  : 「いかがさせて頂きましょう。」

 客  : 「わかった。預かってくれ。」

 この時は、「預かってほしい。」になり、預かりましたが、納得いただかず帰られてもOKです。但し、帰られた場合は、近隣店舗に行く可能性が出てきます。店長は、近隣店舗に連絡し、同様の答えをしてもらうようにします。この場合、近隣店舗が店格(役職)の低い店長や新任の店長だった場合、対応手順を丁寧に説明してあげて下さい。

 こういった連絡は、こういったクレームだけでなく、万引きやカード詐欺などの場合に、本社だけでなく、近隣店舗にも行います。

 

『ポイント』

 勿論、上記はお客様が喚きちらし、無理難題を押し付けてくる場合の対応です。冷静に聞いていただけるお客様には、納得していただけるまで丁寧に説得します。

 以下がポイントです。

@ 初期対応した販売員が相談し、役職が出た場合、「絶対に断ってもらう」ことです。この答えを店長は引き継ぎます。 かわって店長が出るときに、暴れだした時は、すぐに静止できるよう周辺社員に接客しながらでも気にしてもらうように指示します。言葉は悪いですが、暴力事件になれば、勝ちです。ただ、バットを振り回した事案もあった為、くれぐれも気を抜かず慎重に対応して下さい。最近は、刃物などにも気を付けねばなりません。

A 必ず録音をすること。 お客様相談室に、先に指示をしておく。

B 「社長を出せ」・・・社長以外にも、「役員・営業部長を出せ」には絶対に応じないこと。相手が繰り返し要求すれば、こちらも繰り返します。「この店舗の管理権限者は私です。社長が出てもお答えは同じです。」 また、役員名で詫び状などと言われた場合も、絶対に受け入れないで下さい。

C らちがあかない場合、引き取ってもらうことです。この時点では、交代した代理は、暴れだした場合のことを考え、警察に電話する準備をしています。

D 最後の詰めをしっかりすること。この場合、修理センターに電話し、なおってないことの無いよう、念入りなチェックをお願いしました。万一、修理がもどってきて、なおっていなければ、またつけ込まれる可能性大になるからです。

 ここで、こちらが折れれば、この客はまた来ます。無理難題をいう客を受け入れれば、そういった客ばかりが残ります。こういった輩に、二度と来て欲しくなければ、毅然とした態度で臨みましょう。

 いくら売上が欲しくても、ヘドロをすくう必要はありません。あとで、膨大な時間が掛かりますし、要求はエスカレートしてきます。

 これは、私の個人的考えですので、ご了承願います。

 上記のような実例を挙げると偉そうに聞こえますが、実際はやはりイヤなものですし、怖さもあります。本当に店長は、精神的に辛い場合も多いですが、是非、がんばっていただきたいと思います。  

クレームVol.9、E店内事故に起因するもの

記載日 2008.08.29

 この店内事故に起因するクレームとは、形は色々ありますが、代表的なもの挙げれば次のようになります。

@ 山積み商品の荷崩れによるお客様への事故。

A 什器による受傷事故。

B 店頭展示商品による事故(ハロゲンヒーターの通電展示など)。

C 店舗整備の不備によるもの(床に水があり滑ったなど)

D 小さいお子様の安全確保。

 形は色々ありますが、対応方法は共通しています。

【お客様がケガをされた場合】

 受傷事故の場合、治療代金を支払うことになってきます。

 この場合、大きな受傷事故ですと救急車の手配になりますが、あわてて順番を間違わないように冷静になって下さい。先ずは、救急手配です。先に本社に連絡して指示を仰ぐのでは遅すぎますし、店舗側の姿勢を問われることにもつながってきます。お客様の手当てを最優先して下さい。

 本社には救援後、連絡を必ず入れて下さい。小さな受傷事故の場合でも、「治療代金をお支払いしますので、領収書をお持ち下さい。」だけで帰らすのはNGです。受傷事故の規模を問わず、病院に同行します。診断書の請求もお願いします。

 忙しいからといって付き添いを怠ると、後で法外な金額を請求された事案もあります。幾ら、「診断書や請求書を持ってきてほしい。」と言っても、言った言わないの世界になってきます。同行だけは必ず行って下さい。

 

 また、軽い商品などがお客様に当たった場合など、受傷事故にまで至らなかったときは、お客様にお詫びすると共に状態を確認します。この場合の殆どが「大丈夫。」と言われるでしょうが、これもこのまま帰らすと、後で言われてくる場合があります(帰ってから痛んできて、医者にいったので治療代を払って欲しいなど)。必ず、「お帰りになられて異常が出た場合、病院に付き添わせて頂きますので、私までご連絡をお願いします。」と伝えて下さい。

 最後の詰めとして、夜に訪問します。できれば安価な菓子折りを持って、「その後、お体の調子は如何でしょうか。」と確認をお願いします。筆者の場合は、この場合でもICレコーダーに、こちらの誠意ある言動と、お客様の言葉を録音しました。

 店内的には、事故の原因究明と再発防止策を立て、全社員に徹底して下さい。

 

 Dの小さなお子様の安全確保については、クレームよりも事件防止につながります。本当に稀ではありますが、凶悪犯罪の発生も可能性は0ではありません。「まさか、誘拐なんて」といった考えは禁物です。筆者の場合、小さなお子様が一人だった場合、泣いていなくとも必ず声を掛け、親御さんを探しました。親御さんを発見した時に、愛想なくお子様を引き渡した場合、親御さんは「ちゃんと見てるのに、ほったらかしにしとったと言うんか。」と逆ギレされることもあるため、 一声添えて下さい。

 筆者の場合、愛想よく「お子様が少し離れて居られた為、念の為にお声を掛けさせていただきました。」と必ず言っていました。一言添えると、100%(筆者の場合)喜んでいただけましたし、店舗の信頼感も強まります。

【防止策】

@店長が店舗内巡回時に、少しでも気になる展示があれば、その場で改善指示をして下さい。

A腰の高さまでの什器に特に注意する(飛び出していないかなど)。大人の腰の位置は、お子様の目の位置になります。

B展示などの都合で、什器を帰れない場合は、ガラス板の角や什器の先にエアパッキンを巻いて下さい。

CPOPを作成し、適量を貼付して下さい。筆者の場合は、子供のイラストを入れたもので、「あぶないので、走らないでください。」のPOPを作成していました。

D店内放送の放送内容を充実させ、適宜、放送して下さい。

 筆者の場合、混雑時には、

「ただいま、店内が大変混雑し、ご迷惑をお掛けしております。事故防止のため、お子様とご来店中のお客様につきましては、くれぐれもお子様から目を離されることのないようにお願い致します。」とか、店内では走らないで・・・のバージョンを放送していました。

 また、不穏なグループが入店した場合、「〇〇警察の〇〇さん、至急、事務所までお願い致します。」というのを流していました。これは、予め、「不当要求防止責任者届」を警察に提出の際、こういった放送を流すことを伝えておきます。筆者は、何店舗も異動し、そのたびに申し出ましたが断られたことはありません。一度、最寄の警察に相談されてはいかがでしょうか。抑制効果は期待できます。

 このように、防止策を充実させていれば、お客様の信頼も高まりますし、クレームも発生しにくくなります。万一の場合に備えていただければと思います。 

クレームVol.10、F犯罪行為からの開き直り

記載日 2008.09.01

  「犯罪行為からの開き直り」の代表的なものは、“万引き”を発見され、こちらの対応が間違っていた場合、「人を泥棒扱いしやがって。この責任は、どう取るねん。」といったように、因縁をつけてくるものです。

 万引きについては、一番大切なことは「防止」です。

 結果的に捕まえることはあったとしても、最初から「捕まえてやろう」といった感覚は危険です。

 実際に万引きを目撃した場合、店舗を出てから声を掛けて下さい。

 最近は、凶器を持っていたりする場合もある為、慎重にお願いします。また、できる限り複数で対応して下さい。

 声掛けは、「ご精算のお済でない商品があろうかと思いますが、レジはこちらになります。」といった内容で、先ずはレジを案内して下さい。

 万引きが確実であり、シラをきられた場合などは、事務所に誘導すると共に、すぐに警察に連絡をして下さい。面倒くさがらず、100%警察対応することをお勧めします。

 万引き対応の注意点は、下記のようになります。

@来店されるお客様に「挨拶」の励行。不自然にならないようにして下さい。

A防犯機器に頼りきらない。

B不審者がいれば、店内放送を掛ける。

 「〇〇警察の〇〇さん、至急、事務所までお願いします。」など。

C防犯機器が作動すれば、停止するだけではなく、必ずチェックを実施。

D店舗を出てから声を掛けること。

E複数対応を行う。

F警察対応を100%する。

G店舗で、顔写真などを撮らない。

H高校生や中学生の場合でも、学校には連絡しない。警察にのみ連絡する。

I保護者には、警察から連絡してもらうこと。

 万引きにつきましては、また、別項目で詳しく記載させて頂こうと思います。

 筆者は、新入社員の頃、「接客中でも、周りの状況を見ながら接客する。」ことを叩き込まれました。慣れるまでは、なかなか難しいでしょうが、日頃から意識して訓練しましょう。

 周りの状況が見えれば、「万引き」に限らず、「接客の時間調整」にも役立ちます。

クレームVol.11、G販売員の態度・対応

記載日 2008.09.03

 日常の接客の中で、よく見受けられるクレームが、「販売員の態度・対応」に関するものです。

 「愛想の無い対応」や「言葉遣い」、「商品知識や業務知識の不足」などから発生する場合です。

 特に、今までにも記載させて頂きましたが、無理難題を要求する「クレーマー」が、最後に文句をつけるのが、この「販売員の態度・対応」です。

 それだけ、この態度・対応は、客観視しにくい「あやふやなもの」だと言えるでしょう。

 実際、同じ接客態度で接客していても、「喜ばれるお客様」と「ご立腹されるお客様」とが、居られます。ということは、全ての基準は「お客様にある」ということです。

 一般に、「接客は、お客様より一つ上の言葉使いをする。」と言われますが、これを見極めるのには、そこそこの経験が必要になってきます。

 多くの場合、「心からの御もてなしで接客するように」という指示があるのではないでしょうか。

 確かに、私達は営利団体であり、その給料は「お客様の粗利」からしかでてきません。それを考えた場合、「心からの御もてなし」は、当然のことだといえます。私も、それを否定いたしません。

 ただ、100%のお客様に「心からの御もてなし」を、実際問題としてできるのかは疑問です。

 私は、この「心からの御もてなし」の接客にいたるまでには、段階があると思います。

 お客様には、いろいろな方がおられ、その性格は様々です。どうしても自分に合わない方もおられるでしょう。

 しかし、幾ら綺麗ごとを言っても、販売員は普通のお客様(クレーマーは除く)を「怒らせて帰らせたら負けであり、気分を良くしてもらい買ってもらえば勝ち」なのです。

 ここで効果的なのは、指導のレベルを下げるということです。「心からの接客」は、いわば最終形です。お客様が自分を気に入ってくださり、反復して指名いただけるようになって初めて、販売員は心を許せます。

 言葉は悪いですが、先ずは「演技」なのです。合わないお客様も居られます。体調の悪い時もあります。仕事で悩んでいるときもあります。こういったときに「心からの接客」というのは難しいでしょう。

 しかし、私達販売員はプロです。心からの接客ができない状態でも、最低限「演技する」ということが求められます。私でも正直、初対面のお客様にお客様に「心を開いて」「心からの接客」は難しいと思います。しかし、「接客を気に入ってもらって、買ってもらった粗利から自分の給料が出ている」ということは忘れないでいたつもりです。そういった「演技」という“形”から入って、「心から」の接客にいたると思うのです。

 最初は「演技」でも、そのお客様が次に来られたときに「堀田君いてるか?」と言われれば、嬉しかったことを思い出します。それが何回か続き、「お得意様」になっていただけたとき、「心からの接客」ができたのだと思います。

 「心からの接客」といった場合、人によって基準が様々です。

 私は、最初のステップとしての「演技指導」を行ってきました。その基準は「自分」です。販売員がお客様を不愉快な気持ちにさせたとき、私の質問は「もし、自分がそうされたら、どう思う?」でした。

 私の指導は本当にシンプルですが、「自分がされて嫌なことだけは、絶対にお客様にしない。心からの接客は本当に大切だけれど、最低限、演技する義務はあるんじゃないか?」とのことでした。段階を踏ませて、お客様に支持いただける「小さな成功体験」の積み重ねが本当の「心からの接客」を生むのだと思います。皆さんは、いかがでしょうか?

クレームの苦い経験から学んだこと

 クレームについて色々記載していますが、私も『苦い経験』を多くしてきました。その一つひとつから学んだ経験から、お客様の気持ちと再発防止を真剣に考えてきたことが、今の考え方の根本になっているような気がします。

 私が店長になって間もない頃、ポットのクレームがありました。1年2ヶ月が経過しており、最初に対応した販売員が、有料修理であることをお伝えしましたが納得いただけず、 私が対応することになりました。

 答えは販売員と同様、「メーカー保証も切れていますので、当店でお預かりした場合、〇〇〇円になってきます。」でした。

 お客様は、メーカーに送るとのことで帰られましたが、後日、「メーカーに送ったら無償でしてくれた」と言いに来られました。それ以上、大きな問題にはならなかったのですが、私自身、思うことがありました。

 対応そのものは間違いではなく、実際に保証が切れていた場合、自社修理になり、当然費用は掛かってきます。当時は、長期保証もありませんでした。

 ただ、自店からメーカーに送らなかったことに反省点がありました。ここで気付いたのは、メーカー様に無償をごり押しするのではなく、判断をしてもらうということでした。

  このクレーム自体は、通常の苦情レベルでしたが、以後の対応に非常に参考になりました。

 特にパソコンなど、高額修理費のかかる商品は、お客様も必死になって食い下がります。

 ここで、面倒臭がって在り来たりの答えしかしないというのが、最悪の結果につながることも分かってきました。「できません。できません。」と態度をはっきりさせることは必要ですが、メーカー様にごり押しではなく、少し動くということが大切です。少し動けば、納得されるお客様が多いことも知りました。

 このようなときの私の行動は以下のようなものです。

@「無償でなんとかならないか」と言われた場合

 「基本的に、私共でお預かりした場合、保証が切れていますので当社の修理料金が適用になります。これは会社としての料金体系の為、どうすることもできません。ただ、お客様がメーカー様に送って欲しいといわれるなら、メーカー様に送ることはさせて頂きます。但し、判断されるのはメーカー様ですので、メーカー様が有料とのことでしたら、その料金は掛かってまいります。それをご納得いただけるならば、メーカー様に送らせていただきます。」

A「メーカーは関係ない。俺はお前とこで買った。売った責任はどうするのか。」

 「私どもの販売した商品に対する責任は、保証が切れている場合は有償で修理させていただくことだと考えております。また、メーカー様に送らせて頂いた場合でも、判断はメーカー様になります。

 メーカー様が有償になると判断した場合、修理料金をお支払い頂くのは、メーカー様でも当店でも無くお客様になってきます。また、私どもからメーカー様に高圧的な態度で、この修理料金を無償にしろということもできません。ただ、今、お客様が思われているお気持ちは、お伝えさせて頂きます。販売した責任とは、当社がご用意させていただいているサービス体系をご納得頂いた上でご利用いただくことと、お客様のお声をメーカー様にお伝えすることだと考えております。」

といった内容で毅然と対応することが出来ました。(これは、その後、かなり使ったトークです)

 

 特に、輩まがいの者は、この「お前とこで買った」ということと、「お前とこの責任」という事を追及しています。

 全員に同じ答えが出来るように教育しましょう。

「売った責任」とは、

@自社のサービスを有償で用意していること。

Aお客様の声をメーカーに届けること(過剰にではありません)。

だと考えています。

従業員の個人情報への強要

 最近、各小売業量販店で増加しているのが、「従業員の個人情報を教えろ!」という事案です。

 もともとは店舗のミスでクレームになった場合が多いようです。

 

 お客様の言い分の一例を示すと、

 「俺はお前の店に、家の住所から電話番号、そのうえ携帯電話の番号まで教えている。

  だから、お前のところも店長と担当者の自宅の住所と電話番号、携帯番号を教えろ!」

という内容のものです。

 理不尽な内容ですが、お客様の勢いに負け、教える社員・パートが実際にいます。

 今は、POSの会員検索で従業員の情報が見れたり、社員住所録の管理が悪いと、店舗従業員なら誰でも調べることができます。

 

 まず、店長は店舗全従業員に「絶対に部外者に従業員の個人情報を漏洩させない」ことを徹底教育してください。

 また、事の起こりが自店のミスにあったとしても、絶対にお客様に教える必要はありません。

 しつこく食い下がってくる輩には、下記の根拠を説明することも重要です。

 

 商品の販売は担当者個人が行っているのではなく、企業として行っています。店舗としては、お客様に店舗の電話番号やFAX番号などを公開し、連絡先を明確にしています。この為、販売員や店長の個人情報を提供する必要は全くありません。このことを理解し、言葉を選んでお客様に伝えてください。何度しつこく食い下がられても答えは同じですので、毅然と断ることが重要でしょう。

 お客様の勢いに負け、販売員が店長の自宅電話と携帯番号を教えた為、変更を余儀なくされた店長も現実に居られます。

 理不尽な要求には毅然と立ち向かいましょう。

接客業クレームの難しさ

 顧客からのクレームについて、意見を真摯に受け止め対応・改善することが重要なのは、改めて記載するまでも無いでしょう。

 しかし、接客業製造業とでは少しニュアンスが変わってきます。

接客業

製造業

・エンドユーザーからのクレーム

・取引企業からのクレーム

・販売商品についてのクレーム 

・製品の機能的なクレーム

・約束不履行のクレーム

・約束不履行のクレーム

・販売員の態度に関するクレーム

 

 上記のように接客業製造業では、その対象顧客が違うことと、特に販売員の態度に関するクレームに相違が見受けられます。勿論、製造業でも営業マンの態度に関するクレームも皆無ではありませんが、発生回数において接客業の比ではないでしょう。

 これは、接客業に関するお客様の期待が「商品だけではなく、サービスの一部である接客」にも向けられていることを表しています。

 また、態度については「お客様一人ひとりの判断基準」が違うため、製品の機能クレームのように鮮明でないことも原因になっています。

 この場合、企業としての「接客・態度の判断基準」を明確にしていなければ、悪意を有する輩につけ込まれ、不当要求まがいの要求を受けることも少なくありません。

 店長は、自店販売員の接客態度を販売員ごとに把握・チェックし、その都度の指導を行わねばなりません。また、こちらに落度が無い場合は、お客様の言い分を鵜呑みにせず、販売員を守ることも必要になってきます。

 ここで、輩のいいなりになり、落度の無い販売員を一方的に怒れば、一番大切な販売員からの信頼を無くし、以後の店舗運営に支障をきたします。

 そのため、店長自身が善意のクレーム悪意のクレームを見分ける目を持ち、真摯に受け入れるご意見とお客様の我がまま、そして輩の不当要求に対処する能力を身に付けることが要求されています。

 一時しのぎの対応ではなく、根本を見極めた店舗運営を心がけましょう。